パリ五輪予選WorldSkateboardingTour2024 ドバイ パーク女子決勝! | CURRENT

パリ五輪予選WorldSkateboardingTour2024 ドバイ パーク女子決勝!

| 2024.03.04
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2024年度最初のパリ五輪予選となったワールドスケートボードツアー2024ドバイ大会。

熾烈な出場権争いを見せるパーク女子。
パリ五輪金メダル候補の一人、イギリスのスカイ・ブラウンはサーフィンでのパリ五輪出場を目指し、そちらの五輪予選に出場しているためドバイ大会は不参加、さらに優勝候補の草木 ひなのはトラブルにより準決勝を滑走することなく姿を消した。

決勝を戦うのはブライス・ウエストステイン(アメリカ)、ジョーディン・バーラット(アメリカ)、四十住 さくら(日本)、長谷川 瑞穂(日本)、アリサ・テルー(オーストラリア)、開 心那(日本)、ルビー・テルー(オーストラリア)、ナイア・ロソ(スペイン)。

アメリカのジョーディン・バラットが現在世界ランキング18位(3月2日時点)だがアメリカ国内では4番手となっており、2番手、3番手のライダーが決勝に残っておらずここで一つでも上の順位を獲得しポイントを獲得しておきたいところだ。

[1本目]

トップバッターのブライスが緊張した様子だったがいつも通りのマイペースなリアクションでボルケーノからスタート。
スピードに乗ったバックサイド5-0やフェイキーノーズブラントストールなど安定したフルメイク84.10と高得点で幕を開ける。
続くジョーディン四十住もフルメイクでそれぞれ80点台を出し良い流れで迎えた長谷川のラン。

勢いよくドロップインしていくと、バーチカル種目でも活躍する彼女の持ち味であるスピードを活かしてランディング。
ヒップオーバーでのバックサイド360メロングラブやコーナーでのフロントサイドノーズグラインド、バックハンドショービットなど高さとスピードを見せフルメイクし88.91と暫定トップに。
続くX Gamesバーチカル女王のアリサもバックサイド540やフロントサイド360などの高難易度トリックを繋ぎフルメイクするも長谷川を上回ることはできなかった。

長谷川のスコアを上回ったのが現在世界ランキング1位につける日本の開。


ビッグクウォーターでのノーズピック、ビッグハーフボールでのバックサイドテールスライドとクレイルスライド、モヒカンラウンドレールでのバックサイドフィーブルグラインドなど流れるようにフルメイクしこの日91.60とこの日最初の90点台をマークしトップに躍り出た。


続くルビーナイアもフルメイクし1本目は全員がフルメイクというハイレベルな戦いに。

2本目からどのように構成上げてくるのか非常に面白い展開に。


[2本目]

1本目とは一転、それぞれのスコアを見て構成を上げざる得ない状況の中でのトライとなりフルメイク者はわずか3名となった。


オーストラリアのアリサは逆転を狙いボルケーノからの返しでバックサイド540メロングラブ、さらにバックサイド540ミュートグラブと2種類の540を繰り出しフルメイクするも88.48と伸ばしきれなかった。

暫定首位の開も1本目のラストトリック、バックサイドノーズグラインドがタイムアップ後と判断し再度同じルーティーンで挑みラストトリックも完全に時間内にメイクしスコアアップに期待したが91.42とスコアアップせず1本目のラストトリックがインタイムだったようだ。

準決勝を首位で通過したスペインのナイアは1本目で感覚を掴んだか大幅な構成のアップデートで勝負をかける。

ボルケーノからの返しでバックサイドエアーテールグラブとスタイルを見せスタートしていくと、トランスファーのバックサイド540、ボルケーノでのフェイキーバックサイド360流れるようなライディンでコーナーをフロントサイドテールスライドと繋いでいきラストにキックフリップインディグラブを完璧にメイク。
決勝で全ライダーを通し、初めて回しトリックも決め93.46と開を抜き暫定トップに立った。

2本目を終え、暫定トップがスペインのナイア、2位に日本の開、3位は日本の長谷川と続いた。



[3本目]

ムードメーカー、アメリカのブライスのラストランで最終トライがスタート。


ノーグラブのフェイキーバックサイド360、ボンレスフロントサイドディザスターなどを決めアップデート構成をフルメイクし85.21。
滑走後の彼女のリアクションから本人も納得のライディングだったようだ。

1つでも上の表彰台を狙う長谷川は攻めの気持ちが先走ったか最初のエアーでミス。
逆転での表彰台を狙うアリサも2本目で2種類の540でスコアを伸ばしきず、さらにアップデートを狙いボルケーノでキックフリップインディフェイキーを狙うもミス。
逆転優勝を狙う開もキックフリップインディグラブでミスをしまう。

表彰台を狙うべく果敢にアップデートに挑んだオーストラリアのルビー。

ビッグフロントサイドジュードエアーやスタイルを入れたロックンロール、モヒカンレールでバックサイドボードスライド、コーナーでのスムースなバックサイドスミスグラインド、ラストもバックサイドノーズグラインドとしっかりまとめフルメイク。

しかし、3位長谷川にわずか0.59ポイント届かず5位となった。

この時点で最終滑走を前にナイアの優勝が決まった。


[リザルト]

優勝: ナイア・ロソ(スペイン) 93.46
2位: 開 心那(日本)91.60
3位: 長谷川 瑞穂(日本)88.91
4位: アリサ・テルー(オーストラリア) 88.48
5位: ルビー・テルー (オーストラリア) 88.33
6位: 四十住 さくら (日本) 86.65
7位: ブライス・ウエストステイン (アメリカ) 85.21
8位: ジョーディン・バーラット (アメリカ) 81.31


非常に混戦だった今大会。
まず、筆者が注目したのはオリンピックディフェンディングチャンピオンの四十住だ。
昨年の怪我はほぼ完治していると思えるほどしっかり踏めているし、何よりライディングに不安感を感じなかった。
実戦感覚やフィジカルの状態を考慮して「無理をせず」といった印象だった。
ここからパリ五輪に向けて上げてくる彼女には非常に期待が持てる。
大会を通してジャッジングにも注目。
高難易度トリックもしっかりスコアをつけていたが、特に気になったのが「スピード」と「高さ」にも同等の評価をつけている印象だ。
今までなら2種類の540を繰り出したアリサのスコアが90点台でも不思議ではなかったが、それ以上に「スピード」+「高さ」+「難易度」を評価していたように感じた。
今回のスコアリングを見て、各ライダーが今後どのようにアップデートしてくるか非常に楽しみだ。
そして、ここ最近のスペイン勢の急成長ぶりには触れずには終われない。
優勝したナイアを筆頭に、セミファイナルにも残ったジュリアなど続々と若手も育ってきている印象だ。
今回不在のパリ五輪金メダル候補最有力のスカイ・ブラウン(イギリス)を狙うライバルがまた一人加わった。



フェーズ1がこれで終了。
ここからはパリ五輪予選最終章となるフェーズ2が始まる。
出場権争いもさることながら本番を想定し各ライダー徐々に隠していた新技の確認を行ってくると予想され非常に目が離せない女子パーク戦線。

東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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