(CURRENT的スケートボードパーク利用 モラル&マナー) 第1回テーマ[ゴミ問題] | CURRENT

(CURRENT的スケートボードパーク利用 モラル&マナー) 第1回テーマ[ゴミ問題]

| 2025.04.24
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ゴミ問題とスケートボードパークを守る意識について

東京オリンピック2020以降、日本国内のスケートボードパークの数は、それまでの約350カ所から約2倍に増加したとされている(2025年3月時点)。
この文章を書いている2025年4月現在も、全国で多くのスケートボードパークが新たにオープンしている。

パークの増加に伴い、以前から課題となっている利用マナーやモラルの問題も、改めて注目を集めている。
本稿では、有識者やスケーターからの意見、そして筆者自身の視点を交えて、「スケートボードパークにおけるマナーとモラル」について考察していきたい。


第1回テーマ:「ゴミ問題」


最もよく耳にするトラブルの一つが、パーク内外でのゴミのポイ捨てだ。



SNS上でも「ゴミのポイ捨てはやめましょう」という投稿が数多く見受けられる。
中には、「ゴミを捨てるな、ゴミ野郎」や「ポイ捨てする奴にパーク利用の資格なし」といった、かなり強い言葉が並ぶ投稿も存在する。

特に多いのは、飲み物の容器やタバコの吸い殻など、パークでよく見かけるゴミ。
パーク内外には注意喚起の看板も設置されており、本来であれば利用者一人ひとりが意識してゴミ箱に捨てれば済む話である。


しかし、



筆者が気になったのは、ゴミを捨てた一部のモラルのない人たちに対するスケーター同士の反応や言葉の強さである。


ゴミ問題の裏にある「疑問」


よくある意見として、「このままだとスケートボードパークが閉鎖されてしまう」という声がある。


ただ、筆者はこう考えた。


ここからは筆者の憶測だということを理解して読んでいただきたい。

スケートボードに対してみんながみんな快く思っているわけではないと考える。
SNSなどで「ゴミのポイ捨てが酷いから管理側から注意きています、これ以上酷いとパークが利用できなくなる閉鎖になります」と啓発する。

これに対して、

「ゴミ捨てんなスケーターのゴミ野郎」などというスケーターが不特定のスケーターを誹謗中傷する内容をたまに見かけるようになった。

「そのゴミ、本当にスケーターが捨てたのか?」

・捨てた瞬間を誰かが見たのか?
・パークの見学に来た一般の人の忘れ物では?
・通りすがりの人が捨てた可能性は?

無数に疑問が浮かんでくる。
筆者の偏った見解である「スケートボーダーがそうあってほしくない」という願いも込められている。

こうした疑問が次々に浮かんできた。
もちろん、中にはスケーター本人が捨てたケースもあるだろう。しかし、すべての責任がスケーターにあるとは限らないのではないかと感じている。




SNSでの発信のあり方を考える


SNS上で、スケーターが他のスケーターを批判する投稿を目にする機会が増えている。
「スケーターのゴミ野郎」といった言葉で同じコミュニティの仲間を攻撃する様子は、見ていて心が痛む。
当然、スケートボードパークを管理する側の土地や施設の立場からすれば「スケートボーダーがそんなに問題なら閉鎖せざる得ない」となってしまう可能性が出てくる。

仮に、スケートボードを好ましく思っていない人がこれを見たら、

「スケーター同士で分裂してる。パークを潰すなら、こういう分断を助長すればいいのか」

と考えてしまうかもしれない。
極端な話だが、スケーターではない誰かが、意図的にゴミを捨てるということもゼロとは言い切れない。



「守る」行動と発信へ



「今日は周辺のゴミも拾っておきました。少しでも綺麗になったら嬉しいです」

というような発信であれば、「スケーター=マナーを守る人たち」という印象につながる。
攻撃(口撃)的な言葉よりも、ポジティブな行動の方が、周囲の評価にも良い影響を与えるはずだ。

もちろん、マナーを守っているスケーターにとっては腹立たしい状況だろう。
だが、その怒りをぶつける前に、「本当にその発信がパークを守ることにつながるのか?」と、一歩立ち止まって考えてほしい





最後に

もし実際にポイ捨ての現場を目撃したならば、直接声をかけるのもひとつの手段だし、
「パーク内外でポイ捨てが確認された場合、利用を禁止します」といった具体的な啓発も有効だろう。

しかし根本的には、
「どうすればスケートボードパークを守れるか」
「どんな言動がその助けになるのか」
をそれぞれが考えるきっかけになればと、筆者は心から願っている。

スケートボードにとって素晴らしい環境が整いつつある今、
それと反比例するようにスケーター同士の対立や「スケートボード否定論」が生まれてしまっている現実。

せめて、同じスケートボードを好きな者同士で、そんな対立が起きない文化を築いていきたいと切に願う。







東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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