スケートボード、「ストリート」「パーク」、そして今後要注目のジャンル「バート」!! | CURRENT

スケートボード、「ストリート」「パーク」、そして今後要注目のジャンル「バート」!!

| 2024.01.08
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オリンピック競技になり、スケートボードの競技面においてジャンルがあることを知った人も多いはず。

東京2020五輪で男子では堀米 雄斗が初代王者に、女子では西矢 椛が金メダル、中山 楓奈が銅メダルを獲得した街にある階段や手すりを模倣したセクションを使用する「ストリート」
女子の四十住 さくらが金メダル、開 心那が銀メダル、男子では冬季五輪3大会メダル獲得で二刀流でも話題になった平野 歩夢が出場したすり鉢状のセクションをハイスピード、ハイエアーで競う「パーク」

この2ジャンルをご存知の方も多い思う。

今年、2024年はパリ五輪もあり日本人ライダーの連覇が注目されている。

しかし、

他にもいくつかあるジャンルの中、「バート」がこれからの要注目ジャンルであることを是非覚えておいて欲しい。

この「バート」競技、バーチカルの略で直訳すると(垂直)を意味する。
文字通り垂直となるハーフパイプ状の巨大構造物を往復しながら技を競う。
その起源はアメリカのカリフォルニア州のスイミングプールが発祥と言われていて、1970年中期ごろに深刻な水不足で干上がったプールに地元のスケートボーダー達が楽しんだことが事の発端だという。

そんなスケートボードシーンの中でも歴史の古い「バート」では数多くのレジェンドスターライダーがその歴史に名を残している。

1980年代には自身の名前のついた「ホソイ・エアー」など数々のオリジナルトリックを生み出したクリスチャン・ホソイ。



「ハーフ・キャブ」などストリートトリックでも彼の名を表したオリジナルトリックの持ち主であるスティーブ・キャバレロ



そして過去、現在、未来でも彼のは語り継がれるであろう生ける伝説で世界で初めて900(2回転半)の成功、そして48歳にして900を成功させ「年齢とはただの数字」ということを身をもって証明したスーパーレジェンド、トニー・ホーク



90年代レジェンド達に影響を受け、現在の世界のトップ争いをしているのがジミー・ウィルキンスエドアルド・ダメストイ芝田 元トム・シャーだ。

最近の大会で最も多く世界タイトルやメダルを獲得しているのがジミー・ウィルキンス
彼の魅力はなんと言ってもバーチカルの幅いっぱいを使うダイナミックな滑りと、グラブトリックが主流のバート競技でノーグラブで旋回系や回し系トリックをやってしまうリスキーだが迫力のあるライディングだ。



最近の主要国際大会でジミーを抑えて表彰台の頂点に立ち続けるのが、エドアルド・ダメストイ
豪快なエアートリックと回しトリックを得意とし、繊細さも持ち合わせるライダーで一発伸るか反るかの勝負師なところも観客を魅了する。


日本が世界に誇るバートライダー、芝田 元。
彼が編み出したオリジナルトリック「カミカゼ」を代名詞に世界を席巻。
昨年のX Games Carifolniaではフリップマックツイストを成功させるなどその実力は世界が認める
トップライダー。



1999年にトニー・ホークが当時誰も成し得なかった900(2回転半)という記録を作った。
その13年後、2012年にこのトニーの記録を打ち破り、1080(2回転)をやってのけたのが当時12歳だったトム・シャーだ。
彼の持ち味はなんと言っても超人的な高さを誇るハイエアーだ。

ここまで挙げてきたレジェンドから現在の世界トップライダーの名を見ただけでも既に「バート」の魅力がお解りいただけたと思いますが、まだまだ多くのとんでもないスキルや歴史を残してきたレジェンド&現役ライダーが居ることを覚えておいてほしい。


ここからは近い将来、前段でも延べたライダーと戦う日もそう遠くないフューチャーライダーにフォーカスしたい。

まずは昨年のX Games Japan 2023にも出場したスペインの新鋭、レオナルド・ヴィニシウス
トニー・ホークの秘蔵っ子として10歳にしてX Games出場を果たし、その年齢には比例しない大人顔負けのハイエアーは今後も世界が注目する逸材。



次世代のバートシーンで話題として欠かせないのがブラジルのギー・クーリ
X Games バート史上最年少メダル獲得(当時13歳)記録を持ち、900(2回転半)などの旋回系を得意とするライダー。
間違いなく次世代を牽引する世界のトップバートライダー。



今後、芝田 元に次いで日本人で世界と戦っていくスキルを身に付けていくこと間違いなしの逸材、河上 恵蒔
若干9歳にして既に900を得意技とし、その他にもフロントサイド540(通称ロデオ)など世界のトップライダーに通用するトリックをいくつも出来る将来有望なバートライダー。



このようにトニー・ホークが55歳にしてX Gamesに出場するなどレジェンド世代から世界の現役トップライダー、そして次世代ライダーまでタレント豊富な「バート」シーンは今後も要注目となっている。

さらに女子の「バート」シーンも注目だ。
現在世界では、オーストラリアのアリサ・テルー、カナダのリース・ネルソン、日本の貝原 あさひが世界のトップ3を牽引しているが、まだまだ実力者が世界中に多く今後大混戦が予想されている。


東京2020五輪では「ストリート」「パーク」のみが採用され「バート」は競技入りしなかった。

2023年にX Gamesで女子の「バート」が競技入りし、2028年のオリンピックではこの「バート」種目が競技入りなるか注目を集めている。


これらの要素から、スケートボードにおける「バート」は間違いなく要注目種目だと断言しておこう。




東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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