SLS San Diego 2024 女子決勝を制したのは。
プロツアー第2戦目となるStreet Leauge San Diego。
女子決勝はライッサ・レアウ(ブラジル)、クロエ・コベル(オーストラリア)に西矢 椛、織田 夢海、中山 楓奈、赤間 凛音の日本勢といつもの顔ぶれが決勝へ進み優勝を争った。
「ライン セクション」
ライン1本目
各ライダーはまずここをうまくまとめ流れを掴みたいところだがその流れを掴んだのは日本の中山 楓奈。
スターターとして最初の滑走となった中山は、フロントサイドブラントスライドトランスファーやフロントサイドリップスライドなどテンポよくトリックを繋いでいきシグニチャートリックでもあるフロントサイドクルックドグラインド、ラストはキンクしたレッジでフロントサイド50-50グラインドまでパーフェクトランを披露し6.4の好発進。
ラインが課題となっている織田もキックフリップを中心としたラインでフルメイクするも6.5と中山を上回るも伸ばせきれず。
優勝候補、オーストラリアのクロエもフルメイクで7.2。
もう一人の優勝候補であるブラジルのライッサもダウンレールをバックサイドスミスグラインドで勢いよく飛び出すとアップレッジでバックサイドクルックドグラインド、フロントサイドブラントスライド、トレフリップと難易度の高いトリックを繋いでいきラストトリックはしっかりと間をとって自分のタイミングを作りダウンレールでのフロントサイドノーズグラインドまでフルメイク。
7.7と暫定首位につけた。
ライン2本目
2本目でスコアを伸ばしたのが日本の西矢 椛と赤間 凛音。
ギャップオーバーのフロントサイドリップスライドをスピーディに決めスタートを切ると、キンクレッジをバックサイドノーズスライドで全流し、フロントサイドスミスグラインドなどで繋いでいきラストは一本目でミスしたチェーンオーバーしバンクインする難易度の高いヒールフリップもしっかりリカバリーしフルメイクし7.3とクロエを抜いて暫定2位でシングルトリックセクションへ。
赤間も途中のトリックをフロントサイドビッグスピンヒールアップデートしスコアアップを狙ったがフルメイクはならず6.0に止まった。
「シングルトリック セクション」
1トライ目
赤間が代名詞トリックであるバーレーグラインドフロントサイド180アウトで8.0のハイスコア。
続く中山もダウンレールでフロントサイドクルックドグラインドを完璧に決めるも7.5とスコアは伸びなかった。
ライッサもダウンレールでバックサイドテールスライドを決めたが7.8とこちらも伸び切らなかった。
2トライ目
1トライ目でスコアをマークできなかったライダーはこの2トライ目が勝負の分かれ目になると言っても過言ではない。
そんなプレッシャーの中この日最初の回しインを決めたのはシングルトリックセクションを得意とする日本の織田 夢海だ。
ダウンレールでキックフリップフロントサイドボードスライドを決めた。
今回のサンディエゴ大会のダウンレールは従来のダウンレールと違い、角度が緩やかでレール自体の長さがあり回しインのトリックは非常に難易度が高く、スケートボードをレールに掛けたあと「耐える」という動作が重要になりトライを回避するライダーが多い中、織田はしっかりと決め切り8.3のハイスコアを獲得した。
首位を直走るライッサもこのダウンレールでフロントサイドブラントスライドショービットアウトを一発で仕留め8.8をマーク。
ライッサがペースを握り中盤戦へ。
3トライ目
このトライで唯一スコアをマークしたのが日本の西矢 椛。
ギャップオーバーのサスキーグラインドを完璧にメイク。
スコアは8.0と表示され西矢も「ん?」と言った表情に映った。
筆者もこのスコアには疑問を感じたが今大会のスコアリングはこのギャップオーバーレールよりもロングダウンレールにあったということなのだろうか。
4トライ目
4本のスコアが採用されるレギュレーションでここまで2つしかマークしていないライダーは後がないこのトライ。
ここまで3つのスコアをマークし、3位につけている中山はここでスコアメイクをしてプレッシャーを掛けたいところだがダウンレールでのオーバークルックドグラインドを決めきれずラストトライでの勝負へ。
ここまで2つのスコアをマークし後がない織田は観客の声援を自ら煽り気持ちを高め、勝負トリックのキックフリップフロントサイドフィーブルグラインドをトライするもメイクならず優勝戦線から離脱。
ここまでスコアメイクをするも今ひとつ伸ばしきれていなかったオーストラリアのクロエはチェーンオーバーのギャップをスイッチキックフリップを決め優勝争いへと繋げた。
8.4のハイスコアをマークしようやく彼女の表情にも笑顔が見えた。
優勝争いへ勝負をかけた西矢はキンクレッジでバックサイドクルックドグラインドノーリーヒールアウトにトライするも決められずラストトライ勝負へ。
試合巧者のライッサは織田のトライでスコアレンジを掴んでいるキックフリップフロントサイドボードスライドを難なく決め8.3をマークし後続にプレッシャーを掛けた。
これにより優勝を狙うには2位クロエ、3位西矢は9club級のトリックを必要となった。
5トライ目
順位の低い順に入れ替わる最終トライ。
一矢報いたい赤間は再三トライしているフロントサイドフィーブルグラインドフロントサイド180アウトに挑むも最後も決めきれず今大会を終えた。
織田も同様に現在SLSにて女子の世界最高得点を誇るキックフリップフロントサイドフィーブルグラインドを決めきれず今大会を後にした。
中山もバックサイドオーバークルックドグラインドを決めきれなかった。
逆転には9.7と世界最高得点以上が必要な西矢もキンクレッジでバックサイドクルックドグラインドノーリーヒールフリップアウトに挑んだが決めきれず3位でフィニッシュ。
クロエも同じく9.7が必要でキンクレッジでバックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウトに挑戦したが決めきれず2位で今大会を終えた。
ウイニングトライとなったライッサはラストもキックフリップバックサイドリップスライドをダウンレールで見事に決めこの日唯一の9clubを獲得し優勝に自ら花を添えた。
最終結果
優勝 : ライッサ・レアウ(ブラジル) 33.9
2位 : クロエ・コベル(オーストラリア)29.8
3位 : 西矢 椛(日本)23.0
4位 : 中山 楓奈(日本)21.6
5位 : 織田 夢海(日本)14.8
6位 : 赤間 凛音(日本)14.0
貫禄すら感じた今大会のライッサの優勝。
彼女はまだキックフリップフロントサイドブラントスライドなどいくつものハイスコアトリックを出さずに優勝を勝ち取った。
さらには試合の流れを見てスコアメイクするあたりも非常にクレバーでトリック選択肢の多さを感じさせまさに「盤石」という言葉が当てはまるライダーへと進化していっているように感じた。
対象的にクロエと西矢はスコアを見込めるトリックを繰り出したが思うようにスコアメイクできず試合運びに苦労している印象だった。
とはいえこの両者もまだまだハイスコアを出すトリックを持っているのも事実。
これまで非常に評価の高かった中山のフロントサイドクルックドグラインドも思ったほどスコアが出ず、ここ最近でスコアレンジが大幅に変化したと捉えて間違いない。
これらの傾向を上手くそれぞれのスケートボードスタイルに反映させられるかが今後も注目だ。
ライッサが頭一つ抜けた印象を残した今大会だがここから続く世界の主要大会でこの牙城を誰がどのように崩すかも非常に注目だ。
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