Focus of Highlight [2024 SLS Paris 男子決勝]
Focus of Highlight(フォーカスオブハイライト)とはコンテストにおけるターニングポイントとなったトリックをCURRENT編集部が独自の見解で紹介する新コーナー。
今回はSLSの開幕戦となったパリ大会の男子決勝にフォーカスする。
今回「Focus of Highlight」で取り上げるライダーとトリックはこちら。
久しぶりの国際大会で見事優勝を勝ち取ったフランスのオーレリアン・ジローの「シングルトリック」3トライ目に決め9.3を出した「ハードフリップバックサイドノーズグラインド」。
史上稀に見る9Club合戦となった2024年シリーズ開幕戦となった今大会。
オール9以上というハイスコアで優勝した開催地が地元のオーレリアン・ジロー。
優勝のポイントとなったトリックがこの3トライ目に繰り出した「ハードフリップバックサイドノーズグラインド」だ。
ラインセクションで9.0をマークし有利なポジションでシングルトリックセクションへ。
1トライ目でオーレリアンの代名詞トリック、ギャップオーバーの「ハードフリップフロントサイド180」通称「ゲットーバード」を決め9.1とここでも9Clubをマーク。
続く2トライ目で、グスタホ・リベイロが1トライ目で決め9.2をマークした「360キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」を試みるも失敗。
この時点で、他のライダーは「オーレリアンもあれを決めれば9.2を持ってくる」と言ったように意識せざる得ない状況に。
そして今回の「Focus Of Highlight」となった3トライ目の「ハードフリップバックサイドノーズグラインド」だ。
2トライ目で失敗したトリックを修正して3トライ目も挑むと思われたが選択したのはトリックの変更。
これには驚いたがさらに驚いたのが変更したトリックを1発で決めたことだ。
スコアはこちらも9Clubをマークし9.1を獲得。
筆者はこのスコア以上の影響を与えたと感じた。
2トライ目を終えた時点でトップのナイジャが27.1、続くジオバンニが26.8とこの二人が現状スコアを揃えており有利に見受けられた。
ラインセクションのスコア順のため、オーレリアンより先に3トライ目を行ったジオバンニがミス。
オーレリアンは2トライ目をミスし追い込まれ、ナイジャの出方がわからないにも関わらずトリック変更をし「ハードフリップバックサイドノーズグラインド」を決めた。
これにより、前を走っていたナイジャ、ジオバンニ、更には追いかける他のライダーの頭の中に「360キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」のスコア9.2ともう一つの彼の代名詞トリック「バックサイド360キックフリップ」がチラついたと推測する。
この3トライ目をオーレリアンが1発で仕留めたことにより、他のライダーは優勝をするには否が応にも9.2以上のスコアをあと数発決めなければならない状況に見えないうちに追い込まれたのだろう。
終わってみれば9Clubを4本揃えたオーレリアンに軍配が上がり、2位のグスタホ、3位のナイジャも4本スコアを揃えることはできなかった。
SLS Paris大会の男子決勝の注目ポイントはこの中盤での駆け引きだった。
SLSで強さを発揮し続けている、ナイジャ・ヒューストン、グスタホ・リベイロ、ケルビン・ホフラー、堀米 雄斗。
新鋭ジオバンニ・ヴィアンナに久しぶりの出場でここ最近の国際大会で結果を出し勢いに乗る白井 空良。
国際大会の舞台に復帰を果たしいきなり優勝を決めたオーレリアン・ジロー。
ますます目が離せない2024年のシリーズがまさに開幕したと言えるだろう。
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