X GAMES CALIFORNIA 2023 MEN’S STREET FINAL | CURRENT

X GAMES CALIFORNIA 2023 MEN’S STREET FINAL

| 2023.07.24
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今や一番馴染みの深い競技となったストリート種目。
X GAMES CALIFORNIA 2023 MENS STREET FINALではファイナリスト8名のうち7名が東京2020五輪出場ライダー、金銀銅メダリストが揃った実に豪華な世界大会ファイナリスト常連の顔ぶれに。



スタートリストはシェーン・オニール(オーストラリア)、ジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル)、ケルビン・ホフラー(ブラジル)、ジャガー・イートン(アメリカ)、ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)、グスタホ・リベイロ(ポルトガル)、ライアン・デセンゾ(カナダ)、堀米 雄斗(日本)。



この名前を見るだけでもワクワクする顔ぶれだ。
注目は完全復活を果たしたナイジャ・ヒューストン、パークとの2冠という快挙を狙うジャガー・イートン
ファイナリスト最年長で最近の国際大会で好調ぶりを見せるライアン・デセンゾ、今年は中々結果が出ず本調子を取り戻せていない堀米 雄斗が夏以降強いところを発揮できるか。


3回のトライのうち最も良いスコアが採用されるルールだ。





[1本目]
抜群の安定感を見せ見事フルメイクをしてみせたのはブラジルのケルビン・ホフラー
序盤でフルメイクを重ね他にプレッシャーをかけながら自身が上げていく戦い方は既にお馴染みに。
など見事にまとめフルメイク、82.33をマーク。
1本目でさらにフルメイクを決めたのがファイナリスト唯一東京オリンピック出場組ではないカナダのライアン・デセンゾと日本の堀米 雄斗だ。

ライアンはキックフリップでバンクインからスタート、スモールピラミッドでノーリーハーフキャブヒールなどリズムよくトリックを繋ぎダブルセットステアでは代名詞的トリックでもあるフロントサイドキックフリップを完璧に決め、ラストトリックのダブルセットハバレッジでキックフリップバックサイドKグラインドまでパーフェクトフルメイク、88.00と高得点をマーク。

ライアン・デセンゾ(カナダ) フロントサイドキックフリップ


さらに上回ったのが復調を目指す日本の堀米だ。
トレフリップバンクインでスタートしテンポよくトリックを繋いでいき、ハバレッジでのノーリーフロントサイド180スイッチフロントサイド5-0、ノーリーバックサイド270リップスライド、ノーリーフロントサイド270リップスライドとこちらもパーフェクトメイクし実況も思わず言葉を失い立ち上がって踊り出す。
唯一の90点台、91.66と暫定首位に立った。




[2本目]
1本目でフルメイクしていないライダーはここで一本まとめておきたい中盤戦。
勝負強さを見せたのはナイジャ・ヒューストン(アメリカ)だ。
中盤のキックフリップバックサイドリップスライドの掛かりが浅くバランスを崩すが持ち直しその後も
リズムよくトリックを重ね、ラストトリックのスイッチヒールフリップフロントサイドテールスライドをハンドレールで見事決め86.00と3位につけた。

ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)



2本目でさらにポイントを伸ばしたのが堀米 雄斗(日本)だ。
1本目はフロントサイドテールスライドだったセンターのアールto看板を、シュガーケーンにアップデートし95.66とさらにスコアを伸ばし最終トライを前にアドバンテージを得た。

堀米 雄斗(日本)シュガーケーン




[3本目]
結果が決まるラストトライ。
印象的なライディングだったのがジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル)だ。
スタートのハンドレールからハバレッジのノーリーハーフキャブスイッチノーズグラインドまでノープッシュで繋ぐなど非常にフロー(流れ)のあるライディングを見せた。
ラストのフェイキーバックサイド270ノーズスライドをビッグハンドレールでミス以外は完璧だった。
スコアには結び付かなかったがまさに「ストリート」と思わせる非常に魅力的なライディングだった。

ジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル)フローのあるライディング


ラストトライで勝負強さを見せたのがケルビン・ホフラー(ブラジル)。
ビッグハンドレールでキックフリップバックサイドリップスライドで勢いよく飛び出すとリズム良くトリックを
繋いでいき、ハバレッジでノーリバックサイド270バックサイドテールスライド、センターのアールto看板でキックフリップバックサイドKグラインド、ラストトリックのキックフリップバックサイドテールスライドをビッグハンドレール決めるアップデートに成功、90.66と堀米に続く90点代をマークし2位へとジャンプアップ。

ケルビン・ホフラー(ブラジル)勝負強さを発揮



逆転を狙い勝負をかけたナイジャ、ライアンは共に精彩を欠き中盤でミスしアップデートできず。
最終トライを待たずに堀米が昨年のX GAMES JAPAN CHIBA2022に続き優勝を決めた。


[最終結果]
優勝 堀米 雄斗(日本) 95.66
2位 ケルビン・ホフラー(ブラジル) 90.66
3位 ライアン・デセンゾ(カナダ) 88.00
4位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ) 86.00
5位 シェーン・オニール(オーストラリア) 77.00
6位 ジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル) 75.33
7位 グスタホ・リベイロ(ポルトガル) 62.66
8位 ジャガー・イートン(アメリカ) 61.66


今年に入って国際大会で結果が出ていなかった堀米 雄斗が復調を感じさせる優勝を飾った。
現在出遅れているパリオリンピック予選での巻き返しにも十分に期待ができる状態と言える。
怪我での長期離脱から完全復活を果たしたアメリカのナイジャ・ヒューストンも身体のキレや状態は
良さそうに感じられた。
カナダのレジェンド、ライアン・デセンゾもここ最近の主要国際大会での好調ぶりそのままに3位に
入る安定ぶりを発揮。
経験とスキルを併せ持つライアンならではのライディング運びで今後の活躍にも期待だ。
ブラジルのケルビンも非常に調子が良さそうで、彼の強みであり特徴でもある波の少ない安定したライディングとハイスキルなトリックチョイスで今後も飛躍することは間違い無いだろう。
対照的に気になるのがグスタホ・リベイロ(ポルトガル)だ。
ここ最近では国際大会で表彰台常連だったが今年に入って今ひとつ乗り切れていない印象だ。
ライディングに多少ではあるが何か迷いみたいなものも感じとれた。
個人的には更なるレベルアップへの副作用とも感じれるので本来の調子を取り戻しさらに心身共ににスキルアップするグスタホの姿が楽しみでもある。
いずれにせよ、レベルが拮抗している男子ストリートカテゴリーはこれからも目が離せない。








東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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