X GAMES CALIFORNIA 2023 WOMEN’S VERT FINAL
今大会から正式に種目として採用されたバートの女子部門。
先日ソルトレイクで行われたトニー・ホーク バートアラートのファイナリストがこの舞台に上がった。
スタートリストはリリー・ステファシウス[ドイツ]、グレイス・マーホファー[アメリカ]、松岡 ジュノ[日本]、ライッカ・ベンチュラ[ブラジル]、ドーラ・バレッラ[ブラジル]、ルビー・リリー[アメリカ]、ブライス・ウェットステイン[アメリカ]、リース・ネルソン[カナダ]、貝原 あさひ[日本]、アリサ・テルー[オーストラリア]。
バートアラートで優勝したオーストラリアのアリサ・テルー、日本の貝原 あさひ、カナダのリース・ネルソンの3名が実力的には頭ひとつ抜き出ている。
このトップ3の牙城を誰が崩すのかも注目要素の一つ。
30分間の中で一人30秒のランをトライ、最も高い得点が採用となるルールだ。
[1本目]
それぞれ動きに硬さを見せる中、1本目で印象的だったのがカナダの若干10歳、リース・ネルソンだ。
バックサイド540テールグラブ、バックサイド540ノーズグラブなど体格を活かした回転系トリックで繋ぎ、スイッチフィーブルグラインドなどコーピングでのテクニカルトリックなども織り交ぜ82.33とトップ3の中で先陣をきりプレッシャーをかけた。
続く貝原[日本]は中盤のキックフリップインディグラブでミス、アリサ[オーストラリア]はマックツイストやスイッチフロントサイド360インディグラブなど安定したフルメイクで85.66とリースのプレッシャーを跳ね除けた。
これがドラマの始まりとなる。
[2本目]
ここでスコアをメイクしてできるだけ有利に進めたい各ライダー。
日本の松岡がフルメイクで一時3位になるが、カナダのリースがフリップステルフィッシュグラブフェイキー、キックフリップボードスライドなど1本目よりアップデートし88.00と暫定首位に。
1本目でミスしプレッシャーのかかる中みごとフルメイクを見せた同じく日本の貝原。
ベニハナエアー、マドンナテールバッシュなど持ち味である高さを活かしたエアーコンボから1本目にミスしたキックフリップインディグラブもアリウープ気味に決め、ラストのノーズブラントも見事にまとめ81.00と3位にジャンプアップした。
優勝にはアップデートが必須なアリサ[オーストラリア]は、ラストに720を持ってくるも決めきれず3本目勝負に。
2本目終了時点で首位リース、2位アリサ、3位貝原。
この時点で残りタイムは6分、次がラストトライとなる。
[3本目]
リース[カナダ]がこのまま逃げ切るか、貝原[日本]、アリサ[オーストラリア]が捕えるか。
運命のラストトライ。
まずはリースが登場、さらにスコアを伸ばし後続にプレッシャーをかけたいところだが得点を伸ばせず。
続く貝原はフェイキーフロントサイドポップショービットグラブにアップデートし83.66まで伸ばすも2位には
届かず。
いよいよ勝負が決まる最終滑走者のアリサ。
序盤から落ち着いてマックツイスト、2種類の540、スイッチ360などラストトリックまでのリズムは完全に
作り上げ、逆転への720。
着地でバランスを崩しかけるも見事リカバリーしフルメイクして見せた。
やれることはやったアリサは祈るようにスコアを待ち、出た結果は。
今大会唯一の90点台をマークし見事XGAMES Womes Vert初代女王に輝いた。
[結果]
優勝 アリサ・テルー [オーストラリア] 90.33
2位 リース・ネルソン [カナダ] 88.00
3位 貝原 あさひ [日本] 83.66
4位 松岡 じゅの [日本] 75.66
5位 ライッカ・ベンチュラ [ブラジル] 74.33
6位 ブライス・ウェットステイン [アメリカ] 73.00
7位 ルビー・リリー [アメリカ] 72.33
8位 ドーラ・バレッラ [ブラジル] 71.00
9位 リリー・ステファシウス [ドイツ] 67.00
10位 グレイス・マーホファー [アメリカ] 64.33
X GAMES 史上初のWomens Vertの開催となり初代女王が決まった。
日本の松岡も4位と検討し今後に期待が持てる結果となった。
トップ3のみが80点台と実力差がかなりあることは否めない。
しらばらくは3強が続くかもしれないが、松岡らの次世代が今後どのようにスキルアップしてくるか、さらに今大会を皮切りに世界各地からまだまだ新生が出てくると予想されるので今回のトップ3の牙城を崩すライダーが出てくる日が今から楽しみである。
新たな歴史が始まった女子バートのシーンから目が離せなくなる。
●今日 ○イベント開催日