STREET LEAGUE(ストリートリーグ)とは?[後編] | CURRENT

STREET LEAGUE(ストリートリーグ)とは?[後編]

| 2023.04.28
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いよいよ4月29日からシカゴで開幕するSTREET LEAGUE、前回は創設からそのルールやフィールドについて
お伝えしましたが、今回は「日本人ライダーとストリートリーグ」について。



その前にストリートリーグと言えば欠かすことの出来ないトピックとして「賞金」があります。
現在はその優勝賞金は公にはされていませんが、当時は年間チャンピオンを決める
スーパークラウンチャンピオンシップで優勝すると約2000万円という
当時のスケートボードのコンテストでは破格の賞金設定だ。
これは世界中のスケートボーダーに夢を与えたことは間違いない。

そして、その賞金だけでなく名誉を求めてストリートのムービースターだった
ディラン・リーダーデイビッド・ゴンザレスなどが参戦していたこともストリートリーグが
世界最高峰のコンテストという事を証明している。


そんなストリートリーグにいつかは日本人ライダーがする日が来てほしい、と
当時の筆者は夢見ていた。

しかし
それが現実として叶うのはそう時間は掛からなかった。

遠い夢のような事だと思い描いてから約5年後
ストリートリーグに日本人が登場したのだ。
それも二人同時に。


当時高校生だった吉川 楓とオリンピックの解説でも話題となった瀬尻 稜だ。
2015年 ストリートリーグ プロオープンとして年間のプロツアーへの
参戦権を獲得できるストップがバルセロナで開催、そこに瀬尻と吉川が
日本代表として参戦したのが日本人として初出場だ。
瀬尻はセミファイナルまで進出し、あと一歩届かなかったが
これが日本のスケートボード史において歴史的な一歩となった事は紛れもない事実だ。


ストリートリーグで繰り出されるトリックはストリートで何時間掛けても
撮れるか撮れないかというトリックばかりで
それらをほぼノーミスでメイクしたライダーが上位に入るのが当たり前。
ここに日本人ライダーが入るのは何年後かと遠い未来のように感じていたが
こんなにすぐに実現するとは正直考えてもいなかった。

さらに
日本人初表彰台を獲得したのは瀬尻、吉川が出場してから2年後の2017年。

「たまたま出られることになった」と本人も語っていたが、
まさかその大会で3位を獲得したのが今や世界中のスケーターがその名を知る
堀米 雄斗だ。

堀米 雄斗 Twitterより


しかも、
偶然か必然化か、瀬尻や吉川と同じ初出場の地、バルセロナでのプロオープンで3位表彰台を獲得。
さらにこの年プロツアー参戦権を獲得し、次の開催地のミュンヘンでの大会では堀米の最後の
トライまでナイジャ・ヒューストと僅差で争った結果2位。
ナイジャが堀米のラストトライを祈るように見ていた光景が今でも印象的に覚えている。


ストリートリーグ初参戦にしていきなり世界に衝撃を与えた。

「日本人初、ストリートリーグ優勝」は翌年すぐにやってきた。
2018年のストリートリーグプロツアー、ロンドン大会にて初優勝、
その後のロサンゼルス、リオ・デジャネイロとその年のプロツアー全3戦を優勝するという快挙に。
誰もがスーパークラウンワールドチャンピオンシップも優勝すると期待したが8位で終える。


しかし、この年のスーパークラウンワールドチャンピオンシップはこれだけではなかった。


2015年に開設された「女子」クラスで西村 碧莉が見事年間チャンピオンに。
スーパークラウンワールドチャンピオンシップは日本人初優勝に輝いた。

「初」ものづくしの2018年シーズンとなった。

現在は、男子は堀米 雄斗、女子は東京五輪金メダリストの西矢 椛、同じく同メダリストの中山 楓奈
織田 夢海がツアーに参戦。
2023年シーズン開幕戦の地、シカゴの現地時間4月29日からの大会に挑む。
今年も日本人ライダーの活躍から目が話せないシーズンとなることは言うまでもない。


ちなみに、堀米 雄斗はX Games、オリンピック、ストリートリーグツアー戦に先日の
TampaProを優勝したがストリートリーグの年間王者の称号、
スーパークラウンワールドチャンピオンシップだけが唯一手にしていない称号だ。
こちらも今年獲得なるか、楽しみに応援したい。


今後、この舞台で日本人ライダーが数多く活躍する未来も楽しみだ。


4月29日シカゴを皮切りに、8月12日には日本初開催となる東京
10月7日の最終戦はシドニーへと続く。
堀米が獲得を狙うスーパークラウンワールドチャンピオンシップは
現在日程や開催場所は調整中となっている。


ストリートリーグ発足から13年。
まさか日本で開催されるなんて夢にも思わなかったがとうとう現実となり、
今から楽しみな気持ちでいっぱいである。





東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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