2023年02月12日 世界選手権UAE パーク男子決勝 | CURRENT

2023年02月12日 世界選手権UAE パーク男子決勝

| 2023.02.15
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パリ五輪予選の初戦となる今大会。
リアム・ペイス、テイト・カリュー、トム・シャーにストリートとの二刀流でパリ五輪を狙うジャガー・イートンらファイナリストの半数を占めたアメリカ。
ブラジルからは東京五輪シルバーメダリストのペドロ・バロス、新鋭、オウグスト・アキオ。
東京五輪王者のキーガン・パーマー、キエラン・ウーリー擁するオーストラリアの強豪国3カ国での争いとなったファイナル。
日本勢は永原 悠路が最高位の23位、東京五輪出場で2大会連続夏季五輪を狙う平野 歩夢は予選敗退という結果となった。





[ 男子パーク決勝は 1:00:57〜2:03:17 ]



[1本目]

世界選手権常連のリアム(アメリカ)持ち前のスピードを活かし安定のフルメイク、2本目に繋げる。
続くアメリカの17歳、テイトは高いエアーを中心とした構成だが中盤でミス。
昨年のX Games Japanのパークでも優勝し、今大会ストリートでもファイナル進出するなど勢いに乗るジャガー(アメリカ)はエアーとコーピングトリックをバランス良く取り入れた高難易度のトリックでフルメイク、86.50と優位に立つ。
東京五輪ブロンズメダリストのベテラン、ペドロ(ブラジル)パワーとスピードで高いエアートリックとビッグセクションでのグラインドから540に繋げるなど持ち味を発揮しこちらもフルメイク、90.00と1本目からビッグスコアで暫定首位に立ち、2本目以降への期待が高まる。
トム(アメリカ)は安定した滑りでまとめフルメイクし良いリズムで2本目へ繋げた。
オーストラリアのキエランはこの流れに乗りたいところだったが終盤でミスしフルメイクとはならず。
東京五輪王者のキーガン(オーストラリア)はまさかの序盤でバックサイドフリップインディをミスしスコアメイクならず。
セミファイナル首位通過のオウグスト(ブラジル)スマートフォンを耳にあてお気に入りの音楽で集中力を高めながら登場ハイスピードのロールインでスタート、テクニックと高さを合わせた滑りで見事フルメイクし88.06とペドロ(ブラジル)に続く2位と良い形で2本目へ。




[2本目]

一本目フルメイクのリアム(アメリカ)は構成の難易度を上げてフルメイク、82.50とスコアを伸ばすも暫定5位のままで3本目に勝負をかける。
何としてもフルメイクしたいテイト(アメリカ)は序盤でミス、3本目に全てをかける。
1本目で暫定4位につけたジャガー(アメリカ)はスコアアップを狙いラストトリックをブラントフリップアウトにアップデートしフルメイク、89.00と暫定2位とした。
1本目唯一の90点台を出したペドロ(ブラジル)は更なるアドバンテージのためスコアアップを狙ったが序盤でミス。
安定した滑りを見せるトム(アメリカ)は2本目で勝負をかけるもフリップバックサイドディザスターでミス。
2本目でスコアを作りたいキエラン(オーストラリア)は持ち前のスピードを活かし、途中バランスを崩しかけるも見事立て直しバリアルフリップインディをなどフルメイクし89.50と暫定2位にジャンプアップ。
この勢いに乗りたキーガン(オーストラリア)だったが最初のバックサイド540でミスし、五輪王者は後がない状況に追い込まれる。
笑顔のオウグストが2本目の最終滑走者で登場、構成を大幅にアップデートしスピードとエアーだけでなく途中ハイセクションでボンレスインするなどスタイルも織り交ぜフルメイクし92.00とビッグスコアを叩き出し暫定種で最終トライへ。


[3本目]

ここまで安定したフルメイクをみせ最終トライで上位を狙いたいリアム(アメリカ)は序盤でミス。
1、2本目ともにスコアメイクできず、最終トライで巻き返したいテイト(アメリカ)は見事逆境に打ち勝ちフルメイクで85.13の暫定6位とし精神的タフネスさを見せつけた。
暫定4位につけるジャガー(アメリカ)は首位まで3.01ポイントの僅差を逆転できるか。
バックサイドフリップノーズブラントに途中構成をアップデートしフルメイク93.00と逆転で暫定首位に立ちこの後のライダーに大きなプレッシャーをかけた。
3位から逆転を狙うペドロ(ブラジル)はビッグエアーを2本成功し勢いに乗るかと思った直後にミス、暫定3位で今大会を終え、悔しさを滲ませた。
トム(アメリカ)も上位陣を捉えるべく挑んだが序盤でミスし暫定5位でフィニッシュ。
優勝するには3.51以上のスコアアップが求められるキエラン(オーストラリア)は勝負をかけたバックサイドヒールフリップインディでミス、順位を4位のままで終えた。
ここまで苦しい展開の五輪王者、キーガン(オーストラリア)は3本目に全てをかけたが、3rdトリックでミス、8位で今大会を終えた。
ここまで2位につけ逆転優勝を狙うオウグスト(ブラジル)の最終滑走。
ここまでと一変して緊張した面持ちだ。
勢いよく飛び出し最初のエアーも高さ十分で期待感を抱いたが続くフェイキーバックサイド360ヒールフリップでミス。
この瞬間ジャガー(アメリカ)の優勝が決まった。






パリ五輪予選初戦となる今大会。このランキングがそのまま世界ランキングとなります。
ストリートとの二刀流出場を目指すジャガー・イートン(アメリカ)が優勝、ブラジルの新星、オウグスト・アキオ(ブラジル)が2位、ベテランで五輪シルバーメダリストのペドロ・バロス(ブラジル)が3位に。
トップ3が90点台とパーク種目がハイレベルな僅差で本数を重ねるごとに順位も入れ替わる非常に拮抗した展開だった。
五輪王者のキーガン(オーストラリア)が決勝でまさかのノーフルメイクの結果に。
ここから各ライダーがどのように持ち技の難易度を上げてスコアに繋げてくるか非常に楽しみだ。
世界大会毎に世界ランキングも入れ替わる可能性がある非常に目が離せない男子パーク。
若手期待の永原、経験値豊富な笹岡、東京五輪代表の平野など日本勢がこの戦いに入り込む可能性も十分に期待でしる。
五輪予選はまだ始まったばかり。


東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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