Focus of Highlight [パリ五輪予選WorldSkateboardingTour2024 ドバイ大会 パーク男子決勝]
Focus of Highlight(フォーカスオブハイライト)とはコンテストにおけるターニングポイントとなったトリックをCURRENT編集部が独自の見解で紹介するコーナー。
今回は3月3日に開催された2024年最初のパリ五輪予選フェーズ1最終戦、ワールドスケートボーディングツアー2024ドバイ大会パーク男子決勝をフォーカス。
今回「Focus of Highlight」となるライダーはこちら。
優勝を決めたスペインのダニー・レオンのランからラストにラウンドレールで決めたバックサイドノーズブラントスライド。
今大会で予想されていたスコアポイント、ボルケーノやハイエアーを予想していたがラウンドレールだったと推測した。
クウォーターでのハイエアートリックも評価されていただが、明暗を分けたのはランの中にラウンドレールではないだろうか。
オリジナルトリック、ラウンドザワールドを含むハイエアー×回しトリックのランを3本とも完璧に決め切ったアメリカのギャビン・ボットガーだったが、そのスコアポイントにトリックを2つ入れたダニーにわずか0.56ポイント差で軍配が上がった。
エアーの高さではイーブン、回しトリックはギャビン、スライドやグラインドなどのコーピングトリックでは東京五輪金メダリストのキーガン・パルマー(オーストラリア)をも唸らせたダニー、この二人の明暗を分けたのは扇状に作られたラウンドレールだ。
男女通じても今大会のラウンドレールでのトリックは、フロントサイドスミスグラインド、バックサイドフィーブルグラインド、フロントサイドノーズグラインド、バックサイドクルックドグラインドとほとんどが車輪を固定する金具部分のトラックを掛けるトリックだった。
しかし、ダニーがラストトリックにチョイスしたのはフロントサイドノーズブラントスライドだった。
ラウンドしたレール自体がそもそも非常に難易度の高いセクションなのだが、このレールをスライドトリックを決めるというところがポイント。
グラインドトリックの場合はレールが鉄製のためしっかり掛けて踏めればスムーズに滑らせることができ、グラインド中のバランスとアウトに意識を持っていくことになる。
ただし、ラウンドしているということで掛け始めは減速し降りる手前は加速するので非常にバランスが難しくなる。
これがスライドトリックというスケートボード本体の板の部分を掛けて滑らせるトリックになるとグラインドトリックと同様の動作や意識にプラスして「押す」という動作が必要になる。
これが加わるだけで別物のように難しくなるのだ。
さらにはブラントスライドというスライドトリックの中の最上位難易度のトリックを、しかもランのラストに持ってくるというところが今大会男子決勝で唯一90点台を出した要因だと考える。
前回のオリンピック予選ローマ大会で94.03を出し優勝したギャビン。
今大会も同様難度の構成でフルメイクを3度も決め切ったが、スコアポイントをしっかり抑えたベテランのダニーの作戦勝ちとなった。
パークが毎回変わる中、その大会でのスコアが出るポイントをいち早く予選などから捉えることも勝敗を分ける要素になってくる。
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