Focus of Highlight [2024 SLS Paris 女子決勝]
Focus of Highlight(フォーカスオブハイライト)とはコンテストにおけるターニングポイントとなったトリックを紹介する新コーナー。
今回はSLSの開幕戦となったパリ大会の女子決勝にフォーカスする。
今回「Focus of Highlight」で取り上げるライダーとトリックはこちら。
2024年シリーズ開幕戦となる SLS パリ大会で3位表彰台を獲得し、9Clubを獲得した(9.0)織田 夢海の[キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド]。
もはや彼女の代名詞的トリックになりつつあるこのトリック、現在SLSの女子では世界最高得点記録を持っている。
今大会で1発目で決めたこともフォーカスしたいポイントだが過去にも1発で決めた大会はあった。
今回筆者が凄さを伝えたいポイントはこのトリックをトライしたセクションだ。
普段はハンドレールと呼ばれる手すり状のレールでこのトリックを出すのだが、今大会ではコンクリートのレッジレールで決めたのだ。
しかもこのレッジレール、高さも結構あり練習の段階から各ライダー苦戦していたように見えた。
というのも、スケートボードをかける部分が普段のハンドレールに比べて太く丸まっているのだ。
これによりしっかりフィーブルグラインドをするトラック部分をレッジレールに掛けた上に、コンクリート素材のためある程度「押す」という動作を加えなければ詰まってしまうのだ。
滑りやすくするためにワックスを塗っているとはいえ、レールに比べるとその滑り具合は異なるものになる。
鉄素材のレールの場合トラックが掛かれば、ある程度自動的にグラインドしてくれるのだがコンクリート素材に変わるだけで加える動作が大幅に変わる。
これらの要素があったにも関わらずシングルトリック1トライ目で織田がトライした際どこかミスしない自信のようなものも垣間見えたように感じた。
これまでは「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」を決めるか決めないかで優勝争い、または表彰台争いの行方を左右していたが、スコアメイクに出すトリックへと完成系に達したのか、この後に出したレッジでの「バックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウト」もトライ数も余裕を残していたのでしっかり決められた。
スコアは「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」よりも低い8.5だったが、ランセクションでの4ポイント台で表彰台を獲得したことを考えるとやはり「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」の成功率と安定性向上が非常にポイントとなったと言える。
さらには今後の期待感も非常に感じられた1発成功となったので、これから続く世界大会やSLSでの織田のパフォーマンスに要注目してほしい。
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