STREET LEAGUE(ストリートリーグ)とは?[前編] | CURRENT

STREET LEAGUE(ストリートリーグ)とは?[前編]

| 2023.04.17
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世界最高峰のスケートボード、ストリートのコンテストであるストリートリーグの
2023年シーズンが現地時間4月29日にアメリカのシカゴで開幕。

年間3戦行い、そのポイント上位は年間チャンピオンを決める
スーパークラウンチャンピオンシップに出場できるまさに年間を通して
世界一を決めるスケートボードのリーグ戦。
今年は長い歴史の中で初めて日本で開催される事もあり、
注目を集めるスケートボードのワールドコンテストだ。

このストリートリーグとは一体どのようなものなのかを
発足当初から観ている筆者が説明させていただきます。
これらを知るとより面白く観戦出来ると思います。


2010年にプロスケーターで起業家、俳優とマルチに活躍していた
ロブ・デュアデックが創設、アメリカ国内の大会として発足。
大会創設当初はアメリカで活躍しているプロスケーターしか出場はしていませんでした。
さらには現在のシード資格や女子部門もなく、総勢で5、60名と当時第一線で
活躍していた世界中に知られたスケーターはほとんど出場していました。
ストリートリーグという名の通り、コンテストのスケートパークは
まさに街中のスポットを再現したものが多く、ステアにギャップ、
ストレートレッジにハンドレールなど様々なスタイルのスケーターが
自分のスタイルで挑めるもので、当時はトランジションスタイルや
ストリートスタイルなどコンテストでも分かれていることがセオリーだったため
ストリートリーグの会場にワールドフェイマスな名だたる
プロスケーターが集結し優勝を争う事は当時は異例だったため
世界中から注目されることになった。


発足当初から、ナイジャ・ヒュースト(USA)、シェーン・オニール(AUS)、
ポール・ロドリゲス(USA)、トーリー・パドウェル(USA)らは出場しており、
彼らは現在もSLSに参戦し続けている。

ストリートリーグ 最初の開催時のルール


ルールも現在のストリートリーグのように洗礼させれておらず、「セクション」
と言われる、場所を大会運営から指定されまずはその決められた場所を数十名の
ライダーがヒート分けされ、ヒート毎にその1箇所で決められた回数でひたすら技を
繰り出し得点を出すシステムだ。
1セクションでの試技で全ての出場者がランキングされ、決められた順位にいなければ
そこで即脱落という過酷なルールだ。
これを4セクション行い、1セクション毎に削ぎ落とされていき最終的には
「ビッグセクション」という最も大きいセクションに7名が残りファイナルとして
最もポイントの高い優勝者を決めるというものだ。
1ストップのコンテスト時間は3〜4時間とかなり過酷なものだったと記憶しているが筆者は眠い目を擦りながら最初から最後まで画面に齧り付くように観戦したことを
昨日のことのように覚えている。

今では当たり前となっているが、当時画期的だったのが得点表示システムだ。
これまでのスケートボードのコンテストは出場全ライダーの試技が終わってから
セレモニーで順位を発表するというシステムがほとんどだったが、
ストリートリーグは一回のトライ毎にポイントがリアルタイムで
表示されるという異例のものだった。
これによりトライ毎に順位が入れ替わり、
観客はよりコンテストに感情移入しやすくなった。
出場ライダーもリアルタイムで自分の順位や得点が確認でき、さらに順位を上げるには
何ポイント必要かが明確になり、より駆け引き性が高まり戦略性が上がった。
このリアルタイム採点方式が現在では国内外で当たり前になっていることがいかに良い
システムだったかということが証明されていると思います。


会場となるスケートパークも当時としては斬新でした。

ストリートリーグ 最初の開催時のスケートパーク

今でこそ見慣れたストリートリーグの会場ですが、当時はアメリカの国技である
バスケットボール、NBAなどが行われるアリーナで特設のスケートパークを建設し
コンテストが行われるなんて誰も想像していませんでした。
フィールドもこれまではアスファルトの上に木製のセクションを置く
特設パークが多かったが、ストリートリーグは特設にも関わらず
コンクリートパークを開催期間だけにも関わらず建設。
NBA同様アリーナ中央の宙吊りモニターも使用し観客席のどこから観戦しても中継映像や
得点やランキングを確認でき、一喜一憂を出場ライダーと共に出来るようになった。


このように13年前に開始した世界最高峰のスケートボードコンテスト、
ストリートリーグはこれまでのスケートボードコンテストを革新的に
アップデートさせたことがご理解いただけると思う。

次回[後編]は「ストリートリーグと日本人ライダー」など

東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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