「MURASAKI SHONAN OPEN 2025」 スケートボードコンテストを制したライダーたちを紹介!
日本のサーフカルチャーの中心として知られる湘南の地で、6年ぶりの復活となる「MURASAKI SHONAN OPEN 2025」が2025年7月20日(日)~21日(月・祝)に開催された。本イベントは2012年にスタートし、2019年を最後に一時休止していたが、記念すべき10回目を迎える今回、2024年6月にリニューアルオープンした鵠沼海浜公園HUG-RIDE PARKで過去最大級のスケールとなっての復活開催となる。

「MURASAKI SHONAN OPEN 2025」は通常のコンテストとは一風変わっており、スケートシーンの最前線を走るトップスケーターらがプロデュースするオリジナルルールのもと執り行われる。その中で、国内から招待されたトップライダーたちによる普段のコンテストでは見られないようなリアルなセッションが繰り広げられた。
本記事では各スケートボードコンテストの勝者にフォーカスした大会レポートとしてご紹介。
スケートボード・パークコンテスト「ONE SHOT KING supported by 第一生命」

東京五輪スケートボード女子パーク金メダリストの四十住さくら(第一生命所属)がプロデュースする「ONE SHOT KING supported by 第一生命」は、文字通りONE SHOT、つまり1トリックで得点を争う完全オリジナルのコンテストだ。X GamesやSLSのストリート種目で採用されるベストトリック方式をパーク種目に取り入れ、決められたエリアで各選手3回ずつのトライを3カ所で繰り返し、各エリアのベストスコアの合計で順位を競う。
四十住の所属先である第一生命が冠スポンサーとなり、日本を代表するトップアスリートと企業のコラボレーションが体現された本コンテスト。プロデューサーの四十住から「今までパーク種目になかった形をずっと実現したいと思っていた」とコンテストへの想いが語られ、オーディエンスからの盛大な拍手とともに決勝が始まった。
WOMEN’s

予選を勝ち抜き決勝に駒を進めたのは、岡本碧優・菅原琉衣・佐竹晃・能勢想の4名だ。
それぞれがインパクトあるトリックを狙う中、スピード感と安定感のあるライディングでアールトリック・エアートリックをメイクしてきた佐竹 晃は、弧を描くアールでの「バックサイドブラントスライド180アウト」を簡単にメイクすると、ディープエンドと呼ばれるボウルの最も深い部分で「バックサイドボディーバリアル540」をメイクし、本人も思わずガッツポーズが飛び出す。ラストトリックではウォールでの「バックサイドノーズブラント180アウト」を少しよろつきながらもメイクし、ONE SHOT KING WOMEN’sの初代王者に輝いた。

余談にはなるが、佐竹晃とコンテスト主催の四十住さくらは小さい頃から共に練習してきた師弟関係にある。それも相まってか表彰台ではお互いが満面の笑みで肩を組む姿が印象的であった。
MEN’s

ONE SHOT KING MEN’sでは、永原悠路・溝手唱太・櫻井壱世・天野太陽が決勝に進出し、この4名でチャンプの座を争うこととなった。エアートリック・アールトリックどれをとってもフリップやグラブが入るハイレベルで迫力のある滑りが繰り広げられる中、スタイリッシュかつメイク率の高いライディングで会場を沸かせたのは天野だ。決勝のファーストランを担った天野は、弧を描くアールで「キックフリップフロントサイドボードスライドロックンロール」をメイクし、いきなり繰り出された大技にオーディエンスからの歓声が飛び交った。次にディープエンドで高さのある「バックサイド540テールグラブ」を当たり前のように決め、最後にはウォールへトランスファーしながらの「アーリーウープボディーバリアルインディグラブ」をメイクし、ONE SHOT KING MEN’sの初代王者は天野が勝ち取った。
スケートボード・ストリートコンテスト「CHATTY CHATTY REAL ONE」

完全招待制のコンテストとは打って変わり、会場に足を運んだスケーターなら誰でも当日参加可能なオープンコンテスト「CHATTY CHATTY REAL ONE」。ただし、参加者に与えられるチャンスはたったの1回きりであり、次はない。ファーストトライでメイクできる技術と勝負強さが求められる、一発勝負のリアルバトルである。
午後2時という最も暑い時間での開催となり気温は30度に達するコンディションだったが、50名を超えるスケーターがプラットフォームに集結した。キッズからベテランまで幅広い面々の中には、日本を代表するスケーターの1人である白井空良や池田大暉も参加しており、年齢やレベルという垣根を超えたコンテストとなり、普段のコンテストとはまた違った独特の緊張感が漂っていた。

各ライダーたちが各々の得意トリックを順番にトライしていくが、プレッシャーからかなかなかメイクが出ない時間が続く。そんな流れを一蹴したのは、山梨からエントリーの小林 空だ。少し距離のあるステアでの「スイッチフロントサイドビッグスピンヒールフリップ」という高難易度の技をメイクし、暫定1位の座に腰を掛けた。その後も、名だたるプロライダーたちがトライするが一向にメイクが出ず、いよいよ最後1人となる白井がダウンレッジで「フェイキーハードフリップテールスライド」を試みるもミス。その瞬間に「CHATTY CHATTY REAL ONE」の勝者が小林に決定した。
スケートボード・ストリートコンテスト「Rock Away」

「Rock Away」は湘南を代表するスケートクルー「CHATTY CHATTY」がフルプロデュースを手がける完全招待制のコンテストであり、予選決勝ともに10分間のジャムセッション形式で行われる。緊張感のあるコンペティションというよりも、自由な発想や唯一無二なスタイルでオーディエンスを沸かせ審査員の心を掴んだライダーが勝利を手にする、リアルなストリートスケートに限りなく近いコンテストと言えるだろう。審査員はCHATTY CHATTYのクルーから、WOMEN’sでは戸枝義明・JUNYAFIRE・北詰隆平、Men’sではRYUJIN・三枝博貴・ZIZOWが務めた。
WOMEN’s
8年前にはなかったWOMEN’sヒートができたことは、ウィメンズスケートシーンが大きく成長した何よりもの証拠だ。招待選手にはパリ五輪金メダリストの吉沢恋、世界選手権2023金メダリスト織田夢海など、世界レベルのスケーターらが名を連ね、ハイレベルなジャムセッションが繰り広げられた。

そんな中で力の抜けたクールな構えからハイレベルなトリックを連発した弱冠13歳の松本雪聖は、ダウンレッジでスピード感のある「バックサイドクルックドグラインド」を軽々とメイクすると、得意とするキックフリップを入れてレッジやレールにアプローチを試みるが、簡単にはメイクできない。時間が僅かとなりMCからラストトリックと告げられると、松本はレールで「キックフリップバックサイドリップスライド」を見事にメイク。力強いガッツポーズと同時に会場は割れんばかりの歓声に包まれ、栄えあるRock Away WOMEN’s の初代王者に輝いた。

MEN’s
SHONAN OPENの目玉と言っても過言ではないRock Away Men’s決勝に進出したのは、服部響輝・保坂太透・坂本倭京・本橋瞭・池田大暉・安部来夢・白井空良・米坂淳之介・戸枝義明の9名となり、見る人が見ればわかる世界で活躍するライダーから地元湘南のヤングガン、レジェンドまで、豪華な顔ぶれでのジャムセッションが開幕した。

各選手それぞれのスタイルを存分に発揮し、ステア・レール・レッジで巧みなトリックを魅せるなか、ひと際会場を沸かせたのは池田だ。スピードのあるアプローチからレッジでの「バックサイドノーズブラントスライド」をメイクし会場の注目を集め、止まることを知らない池田はその勢いで審査員席真下のバンクから「ノーリーバックサイドキックフリップイン」を一発メイク。さらにラストトリックでは再びレッジでの「ハーフキャブノーズスライドtoバックテールスライド」を決め切り、審査員の心をがっちり掴んだ池田が今年のRock Away Men’s を制することとなった。

MURASAKI SHONAN OPEN 2025 開催概要
開催日程:2025年7月20日(日)~7月21日(月・祝/海の日)
開催場所:神奈川県藤沢市鵠沼海岸及び藤沢市立鵠沼海浜公園 HUG-RIDE PARK ※最寄り駅 小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」徒歩10分
主催:湘南オープン実行委員会
後援:藤沢市/株式会社湘南なぎさパーク/株式会社小田急SCディベロップメント特別協賛:株式会社ムラサキスポーツ
協賛:BRISA MARINA、アクエリアス、BILLABONG、第一生命保険株式会社、一般財団法人 uni 三菱鉛筆 表現革新振興財団、日産神奈川販売株式会社
日産車体株式会社、株式会社 明治、VANS JAPAN、BEYBLADE X、Carhartt WIP、株式会社ディー・エヌ・エー、カシオ計算機株式会社、株式会社ハーレージャパン、Insta360、ニューエラジャパン合同会社、OBEY、California General Store、CARIUMA、クロックス・ジャパン合同会社、DC、アウトドアスパイス ほりにし、Hydro Flask、LEUS、ocean pacific、プーマ、QUIKSILVER、レッドブル・ジャパン株式会社、Rivvia PROJECTS、ROXY、RVCA、VOLCOM、日本たばこ産業株式会社
後援:藤沢市、株式会社小田急SCディベロップメント
特別協力:株式会社湘南なぎさパーク
協力:公益財団法人日本サーフィン連盟 湘南藤沢支部、NSA湘南大会実行委員会、一般社団法人日本アクションスポーツ連盟、藤沢市スケートボード協会、一般社団法人ARK LEAGUE
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