2028ロサンゼルスオリンピック、日本代表出場権争い&今後の展開を大胆予想!!![パークスタイル編]
昨年2024年に世界中を感動の渦に巻き込んだまだ記憶に新しい「オリンピック2024パリ大会」。その中で特に注目を浴びた競技のひとつと言っても過言ではないのが、2020年の東京大会でオリンピックデビューを果たしたスケートボード競技。このパリオリンピックでも前回の東京大会と同様に日本人選手たちがメダリストとなり大活躍を果たし、スケートボードにおける日本の強さを改めて感じる大会になったであろう。ただ日本が世界の強豪国になってしまったがために、その代表に選ばれるためには日本国内での厳しい戦いを勝ち抜かないといけないのも現実なのだ。
時期尚早ではあるかもしれないが、前回の記事に引き続き今回はスケートボード競技パーク種目にて、「オリンピック2028ロサンゼルス大会」に向けた日本代表出場権争いを大胆予想!現時点でのCURRENT的に注目選手たちを紹介しながら、これから繰り広げられるだろう激しい国内での日本代表出場枠争いと日本としてのオリンピック出場国枠争いを予想していく。
女子
まずは言わずと知れた、日本が世界に誇るトップ選手たちが群雄割拠しているスケートボード女子パーク種目。オリンピックの成績としては今までに、東京オリンピック2020で四十住さくらが金メダル、パリオリンピック2024では開心那が東京オリンピックに続く2大会連続銀メダルを獲得するなど、その強さはいまだ世界を牽引するもので顕著なものとなっている。
次のロサンゼルスオリンピックに向けた戦いの中で、変わらず過去のオリンピアン勢は堅実的な強さを誇ることだろう。特に前回のパリオリンピックへ出場した開心那と草木ひなのは、現在16歳のため4年後もまだ20歳と経験はさることながらパークスタイルでは必要とされるスピードを生み出すパワーもついていくと思われる中で更に。
一方で少し挑戦を強いられるのは四十住さくらだろう。全体的に低年齢化が見られるこの種目の中で前回のパリオリンピックで最年長となったのは現在23歳のドーラ・ヴァレーラ(ブラジル)だった。現在22歳である四十住は4年後には26歳でロサンゼルスオリンピックを迎えることになる。10代を中心とした若いライダーたちを相手にフィジカル面を含めてどういう戦い方を見せてくるかが期待だ。
そして注目しておかないといけないのはもちろんオリンピアンだけではない。彼らを脅かすような世界トップレベルのライダーがどんどん生まれているのが日本のスケートボードパーク界だ。その中で特に注目したいのは若手ライダーから長谷川瑞穂と佐竹晃の2名。
まず既にX Gamesでのメダル獲得経験を持ち、パリオリンピック出場争いでもあと一歩のところまで迫ったのが現在14歳の長谷川。前回はオリンピックルールにより設けられた出場国枠の最大数である3枠にランキング上位でありながらも漏れてしまい惜しくも出場とはならなかったが、予選大会では3位になるもその実力とスキルの高さは折り紙付き。前回のリベンジに燃えている彼女はきっとロサンゼルスオリンピックの出場権争いでは中心になることだろう。
そしてもうひとり、日本のアリサ・トルー(パリオリンピック金メダリストの現在14歳)になりうるほど、世界を驚かすスキルと強さの持ち主でこれからの活躍が期待されているのが佐竹。現在なんと弱冠11歳にもかかわらず「キックフリップボディバリアル540」をメイクするなどそのレベルの高さは、国際大会にまだ出場していないものの世界から既に注目され始めている。
なお佐竹は現在先日起きた大怪我から復帰に向けて、スケートボードの上には戻ってきたがしっかり競技に戻って来れるかは今後の怪我の経過とリハビリ次第。編集部一同はまた佐竹のあの素敵な笑顔をスケートボードの上で披露してくれること、そして1日でも早く戻ってくることを心から願っている。
そして筆者の期待値を含めて、ロサンゼルスオリンピック出場権争いに食い込んで欲しいと思っているライダーが2名いるので取り上げておきたい。それがバーチカル種目を主戦場として強さを見せている貝原あさひと昨年の全日本選手権で優勝した菅原芽依だ。
まず貝原だが、現在巷ではオリンピック入りが期待されているバーチカル種目にて活躍しているライダー。長い手足から繰り広げられる新旧を交えたスタイリッシュなトリックが特徴的な彼女は、パークスタイルでも今までに全日本選手権での表彰台経験もあり、その実力は高く評価されている。もちろん理想としてはバーチカル種目がオリンピック競技となった上で彼女が出場することだが、パークスタイルでの活躍も期待できるためロサンゼルスオリンピックでは挑戦して欲しいと願っている。
そして最後に紹介したいのは菅原。パリオリンピック銀メダリストの開同様にコーピング周りのグラインドトリックを特に強みとしている彼女は、2023年のアジア大会で5位、オリンピック予選期間ではWSTやOQSにも出場、そして2024年の全日本選手権では優勝するなど、現在の日本のオリンピアンたちの一歩後ろから着実に力をつけている。ここから4年でどのような変化を見せてくれるのか期待したいライダーの1人だ。
男子
一方、女子カテゴリーとは異なり世界トップの強豪国の層が厚く、国レベルとしては新興国的な立場となっていいる日本男子。とはいえ近年は成長著しく年を追うごとに日本人ライダーたちの残す最高成績が上がっており今後のさらなる活躍が期待されている。オリンピックとしては東京オリンピックに平野歩夢、パリオリンピックに永原悠路と1名ずつの出場となっているが、昨今の競技レベルの向上を鑑みてもロサンゼルスオリンピックでは2名以上出場することも不思議ではない。今回はそんなロサンゼルスオリンピック出場権争いの中心になり得る日本人ライダーたちを5名ピックアップ。
まずは現在日本のスケートボードパークを世界に示しているのは、パリオリンピック出場者である永原悠路。パリオリンピックでは予選の選考レースを戦い抜き、自らの実力で代表枠を獲得。パリオリンピック本戦では惜しくも予選敗退となったが、アメリカのポートランドで行われた「ロックスター・エナジー・オープン」では「キックフリップボディバリアル540」や「キックフリップリーンエアー」をメイクし、パリオリンピック金メダリストのキーガン・パーマーやパリオリンピック銀メダリストのトム・シャーを抑えて優勝。日本人選手のさらなる可能性を示し続けている彼はロサンゼルスオリンピック出場権争いの筆頭であることは間違いない。
そしてそんな永原を追う若手として特に今回紹介したいのは猪又湊哉、櫻井壱世、天野太陽の3名。まずはバーチカル種目との二刀流で強さを見せている猪又。現在15歳の猪又は自身が初めて出場したX Games Ventura 2024にてバーチカルベストトリックで銀メダルを獲得すると、その後国内で開催されたX Games Chiba 2024ではバーチカルで銀メダル、バーチカルベストトリックで銅メダルと、いまやバーチカル種目では飛ぶ鳥を落とす勢いで世界トップライダーの仲間入りを果たした。そんな彼はそのスキルを活かすライディングでパークスタイルでも強さを見せている。全日本選手権では2023年に準優勝、2024年に優勝を果たしており、ロサンゼルスオリンピック出場権争いにおいても強さを見せることは間違いないだろう。
次は日本のスケートボードシーンにて番長のニックネームで知られている櫻井。「挑戦こそが我が人生」という言葉を掲げている彼はスタイルと完成度を追い求めた攻めのライディングが特徴だ。2024年は世界のトップスケーターたちを相手に「Simple Session」を戦い準優勝を果たした。ゆくゆくは三刀流に挑戦したいと語る現在16歳の彼だが、目の前の目標としてロサンゼルスオリンピックの出場を目指している。また最近堀米雄斗と同じマネジメントである「ギフテッド・イグジステンス」に入ったことから、堀米との交流も深まることと思われ、オリンピック2連覇の先輩から直接アドバイスをもらえる環境も彼を後押しすることだろう。
そしてそんな櫻井と同い年でパワフルでスキルフルなライディングが特徴的なのが天野。回転技からグラインドトリックまでバリエーションの多いトリックを持つ彼は、2023年と2024年共に全日本選手権準優勝という実力の持ち主だ。先日は世界中のライダーのライディングをインスタグラムを紹介しているBerricsにも取り上げられるなど世界中からそのスタイリッシュなライディングは注目されている。今後のロサンゼルスオリンピック出場権争いにも食い込んでくることは間違いない。
最後にもう一人紹介しておきたいのが男子スケートボードパークシーンを長年牽引している笹岡建介だ。過去には何度も全日本選手権優勝を果たし、10代の若いタレントが台頭してきた近年でもコンスタントに表彰台に残っている経験とスキルの両方を兼ね備えたベテランライダー。ベテランとはいえまだ25歳の彼はロサンゼルスオリンピックへの出場を目指して日々更なるレベルアップに励んでいる。2024年の全日本選手権でも3位入賞を果たすなどまだまだ彼の勢いは止まることを知らない。2028年には彼の念願の舞台であるオリンピックへの出場を果たすことを期待したい。
総括
現時点での注目ライダーを本記事では紹介させていただいたが、ロサンゼルスオリンピックまではまだ4年。もちろんこのままの顔ぶれで4年後を迎えるとは考えづらい。現在のトップライダーたちはその座を守り続けるためにも更なる成長を遂げる必要がある一方で、その座を追うライダーたちは彼らを十分上回るチャンスもある。
そして最近はフリップ系のビックトリックだけではなく、グラインド系トリックをはじめとするパークのセクションを生かしたトリック、またパーク全体を使えているかどうかやエアーの高さ。さらには滑るスピードまでも評価に大きく関わっているため、特定のスタイルを得意とするライダーだけが評価されるシステムではなくなっており、どのライダーにも勝ち上がるチャンスがあると考えている。
ただまだ2028ロサンゼルスオリンピック予選の競技ルールや出場条件等は発表されていないので、上記のようには一概には言い切れないのだが、特に女子カテゴリーに関してはストリート種目と同様に日本は国内での出場権争いがそのままロサンゼルスオリンピック出場権争いに直結することは過去のオリンピックを見て取れる。その一方で男子カテゴリーはいかに多くの日本人ライダーたちがコンスタントにランキング上位をキープできるかが1名以上の出場権獲得につながる。
男女共に違った難しさがあると予想されるロサンゼルスオリンピック出場権争いだが、今年2025年からその片鱗が見られることだろう。今後も日本人ライダーたちの戦いに注目だ。
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