[パリオリンピック2024] 開幕直前!!絶対女王ライッサ・レアウ、クロエ・コベル、二本柱の牙城を日本勢&他ライダーが崩せるか??注目の見どころを徹底解剖!!!(女子ストリート編) | CURRENT

[パリオリンピック2024] 開幕直前!!絶対女王ライッサ・レアウ、クロエ・コベル、二本柱の牙城を日本勢&他ライダーが崩せるか??注目の見どころを徹底解剖!!!(女子ストリート編)

| 2024.07.22
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遂に今週開幕となるパリオリンピック。
現地時間26日の開会式翌々日、大会5日目に実施されるスケートボードストリート女子。
東京オリンピック2020と同様、予選と同日で決勝が行われる。
CURRENT編集部独自の目線で注目選手や、注目トリックなどを予想してみる。

出場ライダーは全22名。

金メダル最有力候補は間違いなくブラジルのライッサ・レアウ(世界ランキング3位)だ。
ここ数年でライディングもさることながら、メンタル面でも非常に強くなった印象だ。
大会中に全体の流れやジャッジの傾向をしっかり読み取り、アジャストする戦い方も出来る。
一方で自分に流れが来ていると判断するとキックフリップバックサイドスミスグラインドや、キックフリップバックサイドリップスライドなどで他を突き放しにかかるトリックチョイスもしてくる。
現段階でネガティブな要素を探す方が難しいライダーだ。
パリオリンピック本番ではキックフリップフロントサイドブラントスライド、キックフリップバックサイドテールスライドをどのようなシチュエーションで出してくるかが注目。

ライッサの対抗になってくるのがオーストラリアのクロエ・コベル(世界ランキング5位)。
何度となく国際大会でライッサや日本人ライダーと優勝争いを繰り広げてきた。
キックフリップのバリエーションを得意とするクロエはフロントサイド50-50グラインドからキックフリップアウトや、大きなギャップやステアでのキックフリップ、さらには同様のセクションでスイッチキックフリップなども得意としスコアメイクするトリックを安定的に持っている。
最近では女子ライダーではあまりトライしないフロントサイドキックフリップも非常に成功率が高くなっている。
多くのライダーが苦戦する「ラン」セクションでもノーリーキックフリップなどを入れ、安定してハイスコアを出せる強みも持っている。
彼女の懸念点はメンタルだろう。
一度思うようにトリックが決まらなかったらそのままズルズルと立て直せず大会を終えることが度々見受けられる。
この「乗るか反るか」のメンタルとバックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウトをどこで出してくるかが注目だ。

日本の赤間凛音ライッサクロエの牙城を崩す一人になるだろう。
彼女しかやらないトリックを多数持っていて、そのスタイルも非常に評価されている。
赤間の強さはなんといっても大崩れしないところだ。
スケートボードは一旦自分のペースを崩すと短時間のうちに立て直すのが非常に難しい。
赤間は最初のトライで合わなくても瞬時にして何がいけなかったのかを理解しているように感じる場面が国際主要大会で多々見受けられた。
どれだけ失敗しても3回目にはしっかり修正してくる。
「ラン」セクションでも2回しかトライできないが2回とも崩れているところをほとんどみたことがない。
「崩れない」上に難易度の高いほぼ女子ライダーでは彼女しかやらない、バーレーグラインドのバリエーションやフロントサイド270ボードスライド、フロントサイドビッグスピン、フロントサイドビッグスピンヒールフリップと非常に強さを見せている。
事前の話ではまだ披露していない新技を用意しているとのことで、そちらもどのタイミングで出してくるかも非常に注目要素だ。

今大会日本勢で唯一のオリンピック経験者の中山楓奈も優勝候補の一人だ。
東京オリンピックでは銅メダリストとなり、一時期はそのプレッシャーと怪我の影響からか中々結果を出せずに苦しいシーズンを送っていた。
パリオリンピック予選でも最終戦まで出場圏外だったが最終トライでヒールフリップバックサイドリップスライドを決め逆転での出場を決めた。
プレッシャーを跳ね除け勝負強さも見せて出場権を勝ち取ったことによる自信とメンタルはオリンピック本戦で非常にプラスに働くと思われる。
注目のトリックはヒールフリップバックサイドテールスライドをどのセクションで出すか、バックサイドノーズブラントや彼女の代名詞ともなったフロントサイドクルックドグラインドの新バリエーションが出るか。
前回よりも異なる色のメダルを目指す百戦錬磨の中山は要注目だ。

OQS2024シリーズで一気に世界ランキングをひっくり返した吉沢恋(世界ランキング1位)もここにきて金メダル最有力候補として名を挙げてきた。
フェーズ1終了時点では吉沢は世界ランキング7位で日本人5番手と出場圏内ではなった。
OQS2024上海大会で3位となり、世界ランキングも3位、一気に日本人2番手となり出場圏内に入った。
勢いそのままにOQS2024ブダペスト大会では初の世界女王となり世界ランキングも1位でパリオリンピック出場を
勝ち取った。
現状最も心身ともに充実しているように感じる。
注目トリックは自身初の世界の頂点へ導いた、ビッグスピンフリップボードスライド。
現在公式な大会では彼女しか決めたことのない非常に難易度の高いトリックだ。
得意トリックはバックサイドビッグスピンボードスライドで、上記のトリックはこの派生トリックだ。
もう一つ彼女の大きな武器はバックサイドノーズスライドからフロントサイドビッグスピンアウトでこちらは「ラン」セクションに入れてくる可能性もある。
勢いそのままに、初めてのオリンピックで頂点に立つことは出来るのか。

スケートボードが実施されるオリンピックは今回で2回目。
東京大会からの約3年間で大きく飛躍してきたのが中国勢だ。

スケート歴わずか約3年で世界大会決勝常連となったチェンシー・チー(世界ランキング6位)。
日本人コーチの元、最初はバックサイドリップスライドも中々成功できなかった彼女は日々の努力で
一気に世界ランキングを駆け上がりパリオリンピック出場を果たした。
キックフリップバックサイド50-50やキックフリップバックサイド5-0などを武器にどこまで上位にくらいつけるか注目の次世代。

東京オリンピック経験者で最近SLS Apexでも表彰台に登った、中国のパイオニア的存在のゼン・ウェンフイ(世界ランキング9位)。
派手な大技こそ持っていないが、バックサイドリップスライドやバックサイドテールスライドが得意で特にバックサイドテールスライドのアウトバリエーションには注目。
中国勢唯一のオリンピック経験者でこのアドバンテージを活かせるか。

中国勢で筆者が注目しているのがシュ・ユエンリン(世界ランキング10位)。
未知数な部分が多いシュだが、スケートボードには非常に乗れている印象が強い。
トリックもまだまだ荒削りな部分が多いが世界ランキングトップ10に入ったことがその実力を証明している。
パリオリンピックではどこまで成績を残せるかも楽しみだが、オリンピック以降の彼女の成長には要注目となりそうだ。

長年多くの実力者を輩出しているアメリカ勢はここ最近世界のトップ争いに顔を出すライダーが少なくなった。
そんな中、トップ争いを掻き回しそうなライダーがマライア・デュラン(世界ランキング19位)だ。
世界の主要大会では度々決勝に進みその実力を発揮してきたが、オリンピック予選では思うような結果を出せずだった。
それでもパリオリンピック出場圏内の世界ランキング19位につけるあたりはスキルの高さを知らしめている。
そんなマライアが得意なのが女子選手では数名しかやっていないハードフリップだ。
スケートボードをお腹がわに横に180度、縦方向に360度回す非常に難易度の高い回しトリックだ。
このトリックでXGamesのベストトリックでもメダルを獲得するなど世界的にも評価高い彼女のスキルは
東京オリンピック経験者というアドバンテージもありパリオリンピックでもダークホースになる可能性を秘めている。

前回のオリンピック女王である西矢椛がまさかの予選で姿を消すという波乱が起き、パリオリンピックは新たな金メダリストの誕生が確実となった。
前回メダリストと出場経験者か、次世代&新たな勢力か、オリンピック新チャンピオン誕生の瞬間を見逃すな。
パリオリンピック女子ストリートのスケジュールは以下の通り。

スケートボードストリート女子 予選 : 日本時間 2024年7月28日 19:00〜
スケートボードストリート女子 決勝 : 日本時間 2024年7月29日 0:00〜 

東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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