中国・杭州で開催されたアジア大会。スケートボードパーク種目男子決勝では日本人選手が大健闘！永原は準優勝、そして笹岡が3位入賞
2023年9月25日(月)に中国・杭州で開催されたアジア大会にて、スケートボードパーク種目男子決勝では、中国のチン・ヨウが優勝。続いて日本の永原悠路が準優勝、笹岡建介は3位入賞となった。
アジア大会は4年に一度開催されるアジア最大級の競技大会。前大会では今大会にも出場している笹岡建介(日本)が優勝したことから、今回も日本人選手による優勝が期待された一戦。今大会の決勝は女子同様に予選を勝ち上がった計8名により競われ、開催国である中国や、フィリピン、韓国そしてタイなどアジア各国から選手が勝ち上がる中で、日本からはパリオリンピックに一番近い日本人である永原悠路と、大会2連覇を目指す笹岡建介が予選1位・2位という形で進出した。
決勝フォーマットも女子と同様に一人45秒のランを3本滑走した上で、自身の最高得点のランが最終スコアとなるベストラン採用方式。各選手が持つスタイルと、セクションで加速することで生まれるスピード、そしてトリックと同じくらい大事なハイエアーが注目される中、オリジナリティのある高難度トリックのメイクも注目された。
下記注目された日本人選手とトップ3の選手たちのランを紹介。
大会レポート
今大会期間中、杭州は連日降雨が続いたことで十分な練習ができない難しい環境でコースに順応させられることを強いられた各選手。その影響もあってか選手たちはどこかコースの扱いに苦戦する様子も全体的に見られ、一方で自国開催である中国にアドバンテージがあるような印象も受ける中で決勝が繰り広げられた。
そんな決勝戦で着実に高得点を残して優勝したのが地元中国のチン・ヨウ。弱冠15歳の彼は1本目では「フロントサイド270・インディーグラブ」や「キャバレリアルディザスター」をメイクしながら今回各選手が恐れていた「バックサイド・540」を入れないランで82.82ptをマーク。2本目では1本目のランに「キックフリップインディー」などを少しずつトリックを変えてランの難易度を積み上げていき84.41ptと得点を伸ばす。終始リラックスした容姿のチンは完全に会場の空気を自分のものにしているように思えた。3本目では満を持して「バックサイド・540」を繰り出しスイッチ系のトリックも組み込みながらライディングするも最後は転倒し80.62ptとしたが2本目のスコアで逃げ切り優勝を果たした。
続いて準優勝となったのは自国開催の中で勝ち進んだ永原悠路(日本)。1本目・2本目と高い「キックフリップインディー」や「バックサイド・540」を決める高難度なランを繰り出すも最後の最後でトリックに失敗し、70点中盤という悔しい結果で表彰台圏外に立たされていた彼。しかし、3本目ではさすがパリオリンピックに一番近い日本人というだけあってハイエアーでの「キックフリップインディー」を皮切りに、「フロントサイド・フィーブル」や「メランコリグラブ」をメイクして加速。終盤に差し掛かり「バックサイド・540」をメイクすると2本目でミスしていた「バリアルフリップインディー」をメイクし会場を沸かしていく。そのままミスなくパーフェクトランで終えた永原は84.00ptという高得点をマークするも、わずか0.41ptだけチンに及ばず2位という結果となった。
3位になったのは大会2連覇を目指して決勝を迎えた笹岡建介(日本)。1本目は序盤からスピードを乗せていく好調なライディングを見せるも、「キックフリップインディー」で転倒し得点を伸ばせないでいた。しかし2本目では見事に修正し復調。特徴的なパワフルな「ボディジャー」や「ワンフット・360」、そして「ヒールフリップインディー」の流れから1本目でミスした「キックフリップインディー」を見事メイクした後、ミスの無いパーフェクトランを披露し80.90tをマーク。ライディング直後にはガッズポーズも飛び出した。そして大会2連覇を目指して臨んだ3本目のラストランでは一発目から「ヒールフリップインディー」をメイクし、勢いをつけると2本目と同じルーティンをさらに高い完成度でメイク。終盤の「キックフリップインディー」も見事にメイクしパーフェクトランで終える。さらなるスコアアップを確信したガッズポーズが再度見られ優勝に届くかと思われたが83.66ptをマークし、最終結果としては3位入賞となった。
世界でも活躍する永原と笹岡の出場であっただけにアジア大会での優勝を期待されていたが、惜しくも今回は一歩届かず悔しい結果となった。しかし、ここでの悔しさが今後のパリオリンピック予選大会でのさらなる良い結果に繋がることは間違いない。そんな中で来週からイタリアのローマでパリオリンピック予選大会が開催される。彼らの大きな活躍を期待したい。
【大会結果】
優勝: チン・ヨウ (中国) / 84.41pt
2位: 永原悠路 (日本) / 84.00pt
3位: 笹岡建介 (日本) / 83.66pt
●今日 ○イベント開催日
