これを読んでから観れば100倍楽しめる!熾烈極めるパリ五輪代表争いを考察 – 世界選手権 スイス ローザンヌ大会 – | CURRENT

これを読んでから観れば100倍楽しめる!熾烈極めるパリ五輪代表争いを考察 – 世界選手権 スイス ローザンヌ大会 –

| 2023.09.15
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現在スイス、ローザンヌで行われているパリ五輪予選スケートボードストリート。


まずこちらを読んでいただくにあたり重々に理解していただきたいのは、この世界選手権スイス ローザンヌ大会はパリ五輪出場の大きなターニングポイントとなることは間違いないという事を覚えておいて欲しい。

昨日セミファイナルの顔ぶれが出揃い、男女合わせて32名中12名に日本人ライダーが残るという活躍を見せている。
各国内、そして世界ランキングでも出場権争いが激化する中、今回は日本に絞って男女それぞれ「3枚」のパリ五輪出場枠争い、そして現在のランキングをふまえて考察したいと思う。
出場資格についてもおさらいしておこう。
世界ランキング20位以内、その中で各国内のランキング上位3名に2024パリ五輪出場資格が獲得できるシステムとなっている。

女子の今大会のセミファイナリスト。


もはや国際大会ファイナル常連の、西矢 椛、中山 楓奈、織田 夢海はもちろんだがここ最近猛烈な勢いで実力をつけ国際大会上位に食い込むようになった上村 葵、吉沢 恋。
勝負所でのメンタルの強さを持つ伊藤 美優に今や出場日本人ライダー最年長となった実力者の藤澤 虹々可がセミファイナルへと進出した。

現在の世界ランキングをおさらいしておこう。


今回の世界選手権スイスローザンヌ開催前のランキングとして赤間 凛音が一歩リードしている。
続いて西矢 椛、織田 夢海となり現時点ではこの3名がパリ五輪出場資格を持つことになる。
しかし、
赤間が先日東京で開催されたStreetLeagueの練習中に怪我をするアクシデントにより今大会をパス。
さらにランキング5位織田と6位中山のポイント差が僅か1021ポイントとセミファイナルの結果次第ではひっくり返せるポイント差に。
注目すべき点は9位上村、10位吉沢、11位伊藤から5位織田も約6万ポイント差とこちらもセミファイナル、ファイナルの結果次第では一気に縮まる可能性を持っている。

特筆して2つの注目点を挙げたいと思う。

一つ目はランキングで日本勢トップを走る赤間が不在の今大会で西矢がどれだけ赤間を初めその他の日本人ライダーをどこまで引き離しアドバンテージを出せるか。
2つ目は上村に注目。
UP RISING TOKYOで初めて国際大会優勝を経験し、実力経験共に今日本の女子ライダーで一番充実していると感じている。
前回大会のローマでもトランスファーのヒールフリップボードスライドで高得点を出し、彼女の武器でもある一度波に乗ると手がつけられないほどのメイク率を誇り今大会も台風の目となる可能性が大いにある一人だ。
逆転でのパリ五輪出場を目指していることからも「追われるよりも追う方が」という理論からも上村が有利に今大会を進めることは十分にあり得る。
いずれにせよ、セミファイナリストの日本人7名は誰がファイナルに残り、誰が勝ってもおかしくない実力であることに変わりはない。





続いて男子のセミファイナリスト。


16人中5人の日本人ライダーがセミファイナルに残るという久しぶりに多くの日本人ライダーが名を連ねることとなった。
今大会日本人トップとなる世界ランキング5位の白井 空良がSLS TOKYOの練習中に古傷が再悪化しスイス大会をパスするトラブルが。

男子のスイス大会前の世界ランキングがこちら。


男子の今大会最注目はやはり東京五輪金メダリストの堀米 雄斗だ。
現在世界ランキング18位につけるが、日本人の中では佐々木 音憧、松本 浬璃に次ぐ5番手とこのままではパリ五輪出場権は獲得できない位置につけている。
後がない堀米だが直近のUP RIZING TOKYO、X GAMES Carifornia、SLS TOKYOを全て優勝と調子を上げてきていることも紛れもない事実。
今大会では表彰台がほぼ絶対条件となる堀米。
予選もナイジャ・ヒューストン(アメリカ)に次ぐ2位でセミファイナル進出とここから堀米のRoad to パリへの逆転劇が始まるか。
もう一人注目したいのが、現在世界ランキング28位で日本人では7番手となっている根附 海龍だ。
日本人3番手の佐々木までは19136ポイント差と数字だけを見ればかなり離れているように感じるが、この世界選手権での付与ポイントを考えると今大会のセミファイナル、ファイナルの結果以下では十分にひっくり帰る可能性を持っている。
この条件に加えて根附もX Games出場や本国アメリカでの活動を経て大きくスキル、メンタル面でも成長しているように感じる。
SLSのセレクトシリーズ出場権獲得など今後世界の上位常連を目指す根附としては今大会でパリ五輪出場戦線へ大きく名乗りを上げる可能性を秘めていると言えるだろう。
世界ランキング6位で怪我明けの小野寺 吟雲も復調の兆しを見せているし、久しぶりに国際大会セミファイナルへ進出した五輪経験者の青木 勇貴斗も楽しみな今大会となりそうだ。








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