2028ロサンゼルスオリンピック、日本代表出場権争い&今後の展開を大胆予想!!![ストリート編]
2024年パリオリンピックにおいてスケートボード、ストリートは前々回の東京オリンピックに続き男女共に日本人ライダーが金メダルを獲得した。
パリオリンピック出場すら危ぶまれた堀米雄斗は最終予選で大逆転出場を決め、さらには本大会でも逆転劇で見事オリンピック連覇を達成。
女子は東京オリンピック金メダリストの西矢椛がまさかの出場権を逃し、その西矢の東京オリンピックの滑りを見て競技参戦を決意した吉沢恋が「世界一過酷な出場権争い」と言われる日本代表の出場権を獲得するとそのままパリオリンピック金メダリストに輝いた。
パリオリンピックの余韻がまだ残る中。
2025年ワールドスケートツアーの日程が発表され、6月のイタリアを皮切りに2028年ロサンゼルスオリンピックへの出場権争いがスタートする。
とは言っても今年のワールドスケートツアーは2026年シーズンのシード権をかけたツアーポイントとなる事が予想される。
今回CURRENTでは「世界一過酷」と称される日本の出場権争いを予想していく。
[男子]
東京オリンピック後はルール変更などに悩まされたにも関わらず見事に克服しパリオリンピックでも金メダルを獲得した堀米雄斗が最有力候補であることは言うまでもない。
ロサンゼルスは堀米の拠点でもあり、謂わば「地元開催」と言っても過言ではない環境も好材料だ。
堀米を追随する筆頭株がパリオリンピックでもあと一歩でメダルを逃した白井空良だ。
パリオリンピック直後のX Gamesでは初優勝を飾るとストリートリーグではシドニー大会、東京大会と連続優勝しその実力は紛れもなく世界トップということを証明し続けている。
同じくパリオリンピックに出場した小野寺吟雲も年齢的にもまだまだ成長に期待できるライダーだ。
惜しくもパリオリンピック出場を逃した佐々木音憧、根附海龍の両名も要注目だ。
佐々木は2024年9月のワールドゲームズで初の世界王者に輝くと、その後のマイナビ日本スケートボード選手権でも優勝と結果を出し続けている。
最終予選の最終戦でまさかの逆転劇により堀米に出場権を譲ってしまった根附も難易度の高いトリックの安定感を武器にロサンゼルスオリンピックも代表争いに食い込んでくると予想できる。
日本の出場権争い常連組を脅かす存在となりそうなのが第7回マイナビ日本スケートボード選手権で2位に入り、日本チャンピオンにも輝いたことのある長井太雅、3位に入った東北の雄、八島璃央だ。
長井はベーストリックの難易度が非常に高く、さらにメイク率も非常に高い。
度々怪我に悩まされていたがここ最近では怪我の不安も感じられず非常に良いパフォーマンスを見せている。
八島もここ一番での勝負強さを見せ日本選手権で表彰台上がる実力者だ。
小野寺に続く若さの逸材でこれからののびしろにも大いに期待だ。
さらには同大会で惜しくも表彰台には上がれなかったが実力は十分優勝も狙える、藪下桃平と濱村大征も要注意だ。
筆者が注目してほしい男子のライダーは、前回の第7回マイナビ日本スケートボード選手権では惜しくも準決勝で敗退となったが、類まれなるテクニックで日本屈指のスキルを持ちここ最近その実力を伸ばし続けている大阪の16歳、田渕利來だ。
海外でもあまり出来るライダーが少ない、バックサイドフィーブルグラインドトレフリップアウトや回しイン回しアウトを多数持っている。
ポルトガル代表としてオリンピックにも出場したり、世界最高峰のSLSなどで活躍しているグスタホ・リベイロを彷彿とさせるスキルだ。
パリオリンピック後、採点基準の見直しが予想されるところが少し気になるポイントだが田渕のスキルは国際大会でも高得点を出せる可能性のあるトリックが多いので今後も楽しみな逸材でCURRENTは注目していきたいと思う。
[女子]
「国内代表権争いが世界一過酷」とされる日本のストリート女子。
パリオリンピックでは予選から彗星のごとく現れ、最終的には世界ランキングも日本人とトップで本戦出場を果たし、見事金メダリストとなった吉沢恋に連覇の期待がかかる。
吉沢を追随するのが、パリオリンピック銀メダリストで独自のトリックチョイスと高難易度トリックの成功率に安定感がある赤間凛音、実績&実力は申し分がオリンピック出場を2大会連続で逃している織田夢海、前々回の東京オリンピック金メダリストで前回オリンピック出場を惜しくも逃した西矢椛。
特に織田と西矢は前回大会の出場を逃しているということもあり、2028ロサンゼルスに賭ける想いは人一倍強いものと想像する。
次に注目するのは、2024年にX Gamesを始め数々の世界タイトルを獲得した伊藤美優、既に実績もあり国際大会経験豊富で上村葵、次世代の筆頭株で現在注目株筆頭の松本聖雪。
伊藤はパリオリンピック予選でもフェーズ2まで残り、あと一歩というところで出場を逃したが持ち技などを考えれば十分にチャンスがあると言える。
上村も勝負強さと所持しているトリック難易度を考えると十分に頂点を狙えると感じる部分が多い。
松本は現在も非常に成長著しい。
既に世界のトップが出しているトリックも持ち技としてあるため後はどこでその差を埋めていくべく、どういったトリックをチョイスしていくかが注目となりそうだ。
ここに組み立て、戦略が加われば一気に有力候補のトップに出る可能性があると感じる。
次に来るのが、大西七海、星野凛乃、中島野々花。
中島は既に国際大会経験もあり上位陣にも食い込めるほどの実力の持ち主だ。
大西も同様大会経験も豊富でここ最近ではしっかりと実力もつけており非常に楽しみだ。
星野も国内戦では安定した結果を残しており、まだ発展途上という印象があるが類稀なるセンスを随所に見せておりどれだけそのスキルを伸ばせるか非常に期待の持てるライダーだ。
筆者が注目してほしい女子ライダーは、前回の第7回マイナビ日本スケートボード選手権で5位に入った宮城県出身の14歳、丹野莉愛だ。
彼女が得意とするバックサイドの270ボードスライドは世界の女子ライダーの中でもほとんど出来る人がいない高難易度なトリックで、さらにこのトリックを丹野はかなりの成功率で決めることができる。
体幹がしっかりしていて一つ一つのトリックのブレが非常に少なく、パリオリンピックからマスト採用となった「ラン」セクションでも強みを見せる。
同郷で普段も一緒に練習しているのがパリオリンピック銀メダリストの赤間凛音ということもあり、赤間がフロントサイド270ボードスライドやフロントサイドビッグスピン、バーレーグラインドなどフロントサイド系のトリックを得意とするのに対して丹野は逆回りのバックサイドが得意でバックサイド270、バックサイドビッグスピンなど、フロントサイド側で世界に評価されることを赤間が証明していることから丹野も今後バックサイド側で同様に高い評価を得られると予想する。
現状はランでは非常に安定したスコアをマークしており、シングルトリックでもバックサイド270ボードスライドで世界基準のスコアを出せる。
しかし、その後に続くスコアメイクのトリックが見られないので得意とするバックサイド系のトリック、あるいは体幹を活かした別のハイスコアができる期待できるトリックを習得することが世界の頂点を目指す上では必要と言える。
そのトリックがどのようなものになるのか、それらを武器にし国際大会での活躍もCURRENT編集部は非常に楽しみであると同時に今後も注目していきたい。
総括
まだ2028ロサンゼルスオリンピック予選の競技ルールや出場条件等は発表されていないので、それによって大きく左右することが見込まれる。
いずれにせよ日本は国内での出場権争いがそのままロサンゼルスオリンピック出場権争いに直結することは過去2大会から見ても明白。
筆者が少し気になるのはパリオリンピック以降のX GamesやSLSなどでの評価基準がこれまでのハンドレールをメインとしたテクニカルトリックへの高い評価だったものが同等、それ以上にビッグトリックにもスコアがついているところだ。
ビッグトリックというのは落差のあるステアセクションやギャップセクション、また幅のあるセクションなどをスピードと高さで飛び越えたりする見た目にも非常に派手でエキサイティングなトリックのことだ。
海外ライダーで言うと男子はクリス・ジョスリンやアレックス・ミドラー、フランスのオーレリアン・ジロー、女子はブラジルのパメラ・ローザやガブリエラ・マゼット、アメリカのマライア・デュランあたりが該当する。
日本人ライダーでこのスタイルは男子は佐々木音憧、女子は伊藤美優といったところか。
レギュレーション変更を跳ね除け、現状非の打ちどころのないと言える堀米雄斗。
同じく柔軟な対応力と思考、そしてそれを体現するスキルとセンスを持つ吉沢恋。
両者の連覇か、またそれを阻止すべく追随するライダー達か。
いずれにせよ、オリンピック毎に変化していく競技レギュレーションとスコアポイントが変化していくスケートボードパークセクションの構造などにも今後注目していく必要があると思う。
冒頭でもお伝えしたが、2025年度から既にロサンゼルスオリンピックの戦いが始まるといっても過言ではない。
今後もより注目して皆さんにお伝えしていきたいと思う。
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