[パリオリンピック2024] 開幕直前!!堀米雄斗の2連覇か、次世代の台頭なるか?注目の見どころを徹底解剖!!!(男子ストリート編) | CURRENT

[パリオリンピック2024] 開幕直前!!堀米雄斗の2連覇か、次世代の台頭なるか?注目の見どころを徹底解剖!!!(男子ストリート編)

| 2024.07.21
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遂に今週開幕となるパリオリンピック。現地時間26日の開会式翌日、大会4日目に実施されるスケートボードストリート男子。東京オリンピック2020と同様、予選と同日で決勝が行われる。
CURRENT編集部独自の目線で注目選手や、注目トリックなどを予想してみる。

出場ライダーは全22名。

まず、注目株筆頭は前回オリンピックの金メダリストで連覇が期待される堀米雄斗(世界ランキング3位)。
最終予選では最終戦を前に出場圏外という誰もが予想しない展開だったが、見事に苦境をひっくり返して大逆転でパリオリンピック出場権を手に入れた。
ランは比較的安定してスコアを出している堀米、注目トリックとなるのが自身の名前もついたユウトルネード(ノーリーフロントサイド270ノーズスライド270アウト)と予選最終戦で見せたノーリーバックサイド270バックサイドテールブラントスライドが決まるかが注目されるだろう。
もう一つ挙げたいのがスイッチ360フリップリップスライドだ。
このトリックは2022年のX Games Japanで初披露した経緯がある。
ランで有利な位置につけられればこの3トリック、あるいはさらなる新技でオリンピック2連覇なるか。

連覇を阻止する可能性に注目すると、日本の小野寺吟雲白井空良、アメリカのナイジャ・ヒューストンあたりが対抗となりそうだ。

小野寺はパリオリンピック予選を世界ランキング1位で通過し、金メダル最有力候補。
レールでの回しトリックイン回しトリックアウトのバリエーションは世界でもトップクラス。
非常に難易度の高いリスクのあるトリックを「ラン」と「トリック」両セクションで繰り出しハイスコアをメイクし続けている。
14歳とは思えないメンタルの強さも併せ持ち、追い込まれた状況からでもしっかり立て直す強さも持っている。
オリンピックという世界最大の舞台でもスケートボードを楽しむパフォーマンスを発揮すれば頂点に近い存在という可能性も高いだろう。

続いては東京オリンピック経験者でもある白井(世界ランキング2位)。
予選のフェーズ1では世界ランキング1位通過、東京オリンピックでは予選落ちと優勝候補でありながら悔しい結果になった前回大会の雪辱を誓った今大会。
パリオリンピックに掛ける思いは人一倍強く感じる。
「トリック」セクションで強さを発揮する白井の課題は「ラン」セクションだ。
OQS2024上海大会でも「ラン」セクションが振るわずまさかの準決勝敗退となった。
続く最終戦では見事に「ラン」をカバーし、非常に強いライディングを見せていた。
「ラン」でしっかりまとめられるか、大会では一度も出していない「フェイキーキャバレリアルノーズピックグラインド」をトライするかが注目だ。
体調不良により入院していたとの情報が入り心配だ。
どのくらい練習できていないのかは不明だが、体力や筋力が本番までに少しでも戻ることを願う。

白井同様、オリンピックに掛ける意気込みを持つライダーがアメリカにも。
ナイジャ・ヒューストン(世界ランキング5位)だ。
10代前半から数々の世界タイトルを獲得してきたナイジャ、当然東京オリンピックも金メダル争いをしてくると誰もが予想していたが結果はまさかの7位に終わった。
直近のX Gamesでも2つのゴールドメダルを獲得し、歴代ゴールドメダル獲得記録に並ぶなど調子も上げてきている。
金メダル候補筆頭であることは間違いない実力の持ち主で、東京オリンピックのリベンジなるかが注目。
トリックの見どころはスイッチスタンスやノーリーでの回し技からレールやレッジにインする非常に難易度の高いトリックバリエーションがあるのでそちらに注目だ。

フランスのオーレリアン・ジロー(世界ランキング10位)も注目だ。
フェーズ1ではしばらく白井やナイジャを抑えて世界ランキング1位の座にいたが、怪我の影響か予選大会も出場したりしない状況が続いた。
OQS2024から予選大会に戻ってきたが実戦感覚はまだ取り戻せていないように感じた。
しかし、世界王者になる実力の持ち主でハードフリップリバートやバンクなどを使い大きなエアーで回し系トリックをするなどビッグトリックを得意とするスタイルなので一度波に乗り出すと手がつけられないライダーだ。

ポルトガルのグスタホ・リベイロ(世界ランキング6位)も難易度の高い回しトリックでレールやレッジに入り回しトリックアウトを多数持ち非常にハイスコアをコンスタントにマークする実力者だ。
世界王者経験もあり、パリオリンピックでもメダル候補の1人だがここ数戦はスコアメイクに苦しんでいるように感じた。
パリオリンピック本番ではビガースピンフリップボードスライドや360キックフリップフロントサイドノーズグラインド、360キックフリップノーズブラントノーリーヒールフリップアウトを決め切れるかがメダル獲得、またはメダルの色を左右すると予想する。

前回の東京オリンピックで銀メダルを獲得したブラジルのケルビン・ホフラー(世界ランキング11位)、同じく銅メダルを獲得したアメリカのジャガー・イートン(世界ランキング4位)にも注目。
ケルビンは怪我の影響で予選から思うようなパフォーマンスができておらず、パリオリンピックでもどこまで本調子に戻せるかが結果を左右することになりだろう。
一方ジャガーは、パークスタイルとの二刀流でのパリオリンピック出場を目指していたがOQS2024ブダペスト大会最終戦で代表争いをしていたトム・シャーに逆転での出場権を奪われストリートに専念することに。
精神的にはショックだったが体力面やストリートでの戦略に集中出来る環境という点ではプラスの要素となるだろう。
ストリートでも世界一にもなっているので金メダル争いに加わると予想している。

筆者がこれまでにあげたライダーに風穴を開けると予想するのがブラジルのジオバンニ・ヴィアンナ(世界ランキング12位)だ。
世界一にも輝いた経験のある実力もさることながら、そのライディングスタイルは非常に注目だ。
複雑な回し系トリックよりも自身が複雑に回る旋回系トリックからレールやレッジに入ることが得意で決まれば非常にハイスコアを出せるトリックを多数持っている。
加えてここ一番での勝負強さも併せ持っている。
フェイキーフロントサイド180バックサイドスミスグラインドや、フェイキーキャバレリアルフロントサイドブラントスライドなどが得意トリック。
「ラン」でどこまで上位につけるかがメダル争いの鍵を握るだろう。
筆者は金メダル争いダークホースに名前をあげたいと思う。

約2年間に及ぶ予選を勝ち抜いてきた22名の実力者揃い。
数多く開催されているどの世界大会とも異なる独特な雰囲気で頂点に立つのはどのライダーか。
連覇か、ニューヒーローか、次世代の台頭か、様々な楽しみな要素が入ったパリオリンピック、スケートボードストリート男子のスケジュールは以下の通りだ。

スケートボードストリート男子 予選 : 日本時間 2024年7月27日 19:00〜
スケートボードストリート男子 決勝 : 日本時間 2024年7月28日 0:00〜 

東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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