海外のトップスケーターとセッションできるストリートイベント「Red Bull Drop In Tour Japan」 | CURRENT

海外のトップスケーターとセッションできるストリートイベント「Red Bull Drop In Tour Japan」

| 2023.08.23
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©︎ Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

海外トップスケーターたちと交流できるストリートイベント「Red Bull Drop In Tour Japan」が2023年8月18日(金)に東京都立川市のムラサキパーク立川立飛にて開催された。

Red Bull Drop In Tour」とはレッドブルアスリートであるトップスケーターたちが世界中から集まり、各国を旅しながら現地のスケートパークやスケートショップ、そしてストリートのスポットを訪れるワールドツアー。
2018年から始まった本イベントは今までアメリカ、フランス、ドイツ、スペインなど各国で実施されているのだが、日本では今回が初開催となり東京と大阪の2ヶ所でイベントが行われた。

その「Red Bull Drop In Tour Japan」の東京編のイベントが、今年の7月15日にオープンしたばかりのムラサキパーク立川立飛にて開催。海外トップスケーターとローカルスケーターの交流の場が設けられた。普段では滅多に見ることのできない世界最高峰で大活躍するトップスケーターによる超ハイレベルなトリックの数々を、地元のスケートパークにて至近距離で見られるチャンスということから、当イベントには子どもから大人までたくさんのスケーターや観客が集まった。

左からザイオン・ライト、トリー・パッドウィル、マキシム・ハバネク、アレックス・ソルジェンテ、ジェイク・ウーテン、ライアン・ディセンゾ、小野寺吟雲、織田夢海、マージリン・ディダルの順
©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

今回の「Red Bull Drop In Tour Japan」に参加したトップスケーターは、日本人スケーターの織田夢海小野寺吟雲、海外スケーターからはトリー・パッドウィルザイオン・ライトマージリン・ディダルマキシム・ハバネクアレックス・ソルジェンテジェイク・ウーテンライアン・ディセンゾといった、2024年パリオリンピックの有力候補である次世代アスリートから、長年スケートボードシーンを牽引し続けるベテランスケーターまで超豪華メンバーが揃った。

なお、本イベントではレッドブルアスリートたちによるデモラン、一般参加のスケーターによるべストトリック・コンペティション、そしてサイン会が行われた。

以下は当日のイベントの様子である。

イベントの様子

レッドブルアスリートたちによるデモラン 

ザイオン・ライトのフェイキー・バックサイドリップスライド
©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

今年の夏も佳境を迎える中、東京の真夏の暑さよりもアツいイベントとなった「Red Bull Drop In Tour Japan」。本イベントは一般のお客さんやスケーターたちが多く集まったムラサキパーク立川立飛にてレッドブルアスリートであるトップスケーターたちのデモランからスタートした。

織田夢海のバックサイド・リップスライド 
©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

彼らはジャムセッションのようなスタイルで、スケートパーク内のクオーターやステア、レールなど様々なセクションを活用して世界トップクラスのトリックを披露。観客にとっても普段SNSや映像を通して見ているトップスケーターの滑りやトリックの数々を、実際に目の前で見られる機会ということもあり、トリックメイク時には思わず歓声を上げたり終始目を輝かせながら彼らのデモランを観ていた。

レッドブルアスリートたちもそんな会場の高いボルテージに後押しされて、途中からはデモランというよりベストトリック合戦のような状態に。彼らは予定されていた時間をオーバーし、次のプログラム開始ギリギリまで超高難度トリックにトライし続けた。
そんな中デモランを締め括ったのはライアン・ディセンゾによるギャップ to レールでの「トランスファーキックフリップ・フロントサイドノーズブラント」。本イベント中一番の歓声とも共にデモランは幕を閉じた。

べストトリック・コンペティション

レッドブルアスリートを前にハンマートリックを披露するスケーターたち
©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

そしてデモランの後に開催されたのは一般参加によるベストトリック・コンペティション。一般参加とはいえ根附海龍池田大暉をはじめ男女問わず国内外で活躍する指折りのスケーターたちが参加し、ジャムセッション形式で自分たちの持つハンマートリックを披露した。

またこのコンペティションのジャッジにはレッドブルアスリートが入り、彼らの目で見てイケてるトリックを魅せたスケーターに対してその場で現金が手渡されるという、いかにもオールドスクールなストリートコンテストといった雰囲気の中で開催された。

ザイオン・ライトがMCをする中、キャッシュを渡すマキシム・ハバネク
©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool 

コンペティション中は飛び入りでザイオン・ライトがマイクを持ちMCをするなど、自然発生的にどんどん盛り上がっていき、トップスケーターとローカルスケーター、そして観客が一つになってこのイベントを作り上げている様子が垣間見え、国籍や性別そして年齢関係なくお互いをリスペクトしながらスケートボードを通じて楽しい時間を共有するスケートボードならではの魅力を感じた瞬間だった。

レッドブルアスリートたちによるサイン会

サイン会の様子
©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

大盛り上がりのベストトリックコンペティションを終えて、本イベントの最後にはレッドブルアスリートたちによるサイン会が行われた。世界最高峰のトップスケーターたちが一堂に会す貴重な機会に観客たちによる長蛇の列ができ、観客は彼らにサインをもらったり、一緒に写真撮影をしたりと、短い時間ながらも憧れのトップスケーターたちと思い思いの時間を過ごした。

そして当編集部では今回参加したレッドブルアスリートの中から4名に特別インタビューを敢行。最近の活動状況から日本のスケートシーンの印象まで、彼らの生の声を聞いた。

海外トップスケーターたちへの独占インタビュー

Torey Pudwill (トリー・パッドウィル)

トリー・パッドウィル 
©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

-最近の活動について

最近は、2024年の終わりに公開予定のストリートの映像撮影を主にしているよ。また来年の始めからレッドブルと大きなプロジェクトを始める予定なんだけど、このプロジェクトでは俺のキャリアで長年大事にしてきたコンセプトを詰め込むからとても特別なものになると思う。こういった機会をくれるレッドブルには本当に感謝しかないね。これ以上はネタバレになりそうだから話さないけど、俺のスケートボード人生が表現されるプロジェクトだから楽しみに待っていてね。

あとは日々「Thank you Skateboard」や「Grizzly Griptape」といったスポンサーと共にスケボーを続けているよ。約2年前に足首を骨折したんだけど、それ以来特にスケボーを楽しめるようになったんだ。今はストリートやコンテスト、そしてこうやって色んな国へ旅行しながらスケボーを続けられることが嬉しいし、まさにこれがスケートボードって感じの毎日を過ごせているよ。

©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

-日本のスケートシーン、ライダーの印象

日本のスケートシーンはとてもレベルが高くて、俺自身もインスピレーション受けているよ。最近は特に若手が台頭しているけど、こういった若手がどんどん活躍していくことで日本のスケートシーンがもっと世界に目を向けていくきっかけになると思う。

そんな感じで日本のスケートシーンはめっちゃクールだし、スケーターたちの成長を見られるのも最高さ。最近は馴染みのある顔が増えてきたから、今後も彼らと関わっていきながらスケートボードは世界中どこでも一つの大きなファミリーだっていうことを伝えていくよ。

それに日本はとても良いスポットも多いし、雰囲気も良いから毎年一回は来れるようにしたいね。今年はもう2回来れているけど、その度に日本のスケートシーンがより認知されて大きくなっているのを感じる。もちろんそれはここまで日本のOGたちが積み上げてきた歴史があるからだっていうのも忘れていないし、ようやくこのカルチャーが日本で一般的に認知され始めているのを感じているよ。

そしてやっぱり日本の若き才能には目を見張るものがあるし、堀米雄斗小野寺吟雲に加えてたくさんの若手が出てきていて、本当に彼らはすごいスケーターたちだと思う。

-特に注目しているライダー

俺のお気に入りのスケーターはOGの宮城豪だね。フラットバー・キングの彼からはめちゃくちゃインスピレーションを受けているよ。以前”フラットバー・フレンジー”の撮影で日本に来た時もたくさんヤバいスポットを教えてくれたし、彼のスタイルは周りと違ってユニークなんだ。そんなOGの彼をリスペクトしているよ。

あと最近は池慧野巨にも特に注目してる。俺は正直彼が世界で一番最高なスケーターだと思うし、彼の将来は明るいものだと感じているよ。実はいつかThank you Skateboardチームに引き入られたら良いなと思ったりもしてるんだ(笑

Ryan Decenzo (ライアン・ディセンゾ)

ライアン・ディセンゾ
©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

-最近の好調なコンテストについて

最近コンテストで調子がいいのはシューズのおかげだよ。FP Footwearを使ってるんだけど、とても衝撃吸収が良いから練習中に高いギャップから飛んで着地しても、すぐに足にダメージが来ないんだ。今日のデモランで何度もトリックにトライできたのもこのシューズを履いているからさ! 特に最近は以前より長時間練習ができているから、今はコンテストで確実にメイクできるように着地にフォーカスしながら練習しているよ。

©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool

-日本のスケートシーン、ライダーの印象

日本のスケートシーンはヤバいよ。常に才能のある新しいスケーターが出てきているからね。レッドブルのチームメイトの小野寺吟雲はもちろんだけど、佐々木音憧はSLSにこそまだ出てないけど僕の大好きなスケーターさ。それと池田大暉堀米雄斗ももちろんすごいと思うし、今後どんなスケーターが出てくるのが楽しみだよ。
あと日本のスケーターは集中力があるしトリックの精度が高い上にスタイルも兼ね備えているからコンテストで良い得点が出るのも納得できる。

また日本はストリートで滑るのが厳しい環境というのもあって、警備員に追い出されるまでの短い時間で常に正確に滑らないといけないのが、彼らのスキルを伸ばしている証拠だと思うよ。だから彼らはストリートでも良い滑りができるんだよな。

-特に注目しているライダー

それはやっぱり佐々木音憧だね。以前のDamn Amコンテストで見せた彼の滑りは僕が今まで見てきた中で一番ヤバい滑りだったよ。これからも彼のクールな滑りが見られることを楽しみにしてるよ。

Zion Wright (ザイオン・ライト)

ザイオン・ライト(左)がハンマートリックを決めた根附海龍(右)にキャッシュを渡す。
Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

-最近の活動について

最近はストリートでの撮影が多いね。特に何かのプロジェクトで撮ってるわけじゃないけど、良きタイミングでリリースできるように素材をたくさん撮り溜めしているところさ。

-日本のスケートシーン、ライダーの印象

とにかく堀米雄斗がヤバいね。雄斗が確実に今の日本のスケートシーンを押し上げているし、日本人スケーターの可能性を証明し続けていると思うよ。

-特に注目しているライダー

個人的には星野大喜に注目してる。彼はVANSやHUFのライダーとして滑ってるけど彼は滑りはいつもクールだね!

Margielyn Didal (マージリン・ディダル)

マージリン・ディダル
©︎Anthony Acosta / Red Bull Content Pool 

-最近の活動について

今はとにかく足首の治療に専念しているよ。怪我してからだいたい10ヶ月くらい経ったんだけど、今回ドロップインツアーで日本に来て、世界中のトップスケーターに囲まれながら、また自分のトリックを取り戻し始めることができて嬉しく思う。でも1番注力していることは足首を早く治して、100%の状態でスケボーができるようになることだね。

-日本のスケートシーン、ライダーの印象

多分フィリピンだけじゃなくてアジアのスケーターはみんなが同感すると思うけど、日本のスケーターがアジアでは1番だよ。

-特に注目しているライダー

何人か選んでもいい?(笑)1人だけ選ぶのは難しいけど、一番ギャングスターなのはモミジ(西矢椛)だね(笑) あとユメカ(織田夢海)もレールでクルックドのトリックができる数少ないスケーターだし、日本のスケーターはヤバいライダーばっかりだよ。

-アジア全体から見て日本人のスケーターたちが彼らに与えている影響

私がスケボーを始めた時はアジアにガールズスケーターは数人くらいしかいなくて、スケボーは男子のものって感じだったけど、今は日本を筆頭にアジアで女子のスケーターが増えてきてトリックのレベルも急激に上がったし、男子だけのものじゃなくて女子のスケートシーンもネクストレベルに達してると思うよ。

最後に

©︎Kenji Haruta / Red Bull Content Pool

今回の「Red Bull Drop In Tour Japan」を通して、 実際にレッドブルアスリートたちの世界最高峰の滑りを目にする中で、レッドブルチームとしてお互いを称え合い励まし合う様子が見られ、彼らの間にある絆みたいなものを感じさせてもらった。

そして何よりどんな国籍や性別、そして年齢問わずにスケートボードを通じてその場の熱量や楽しい時間を海外トップスケーターとローカルスケーターが共有している姿から、トリーも話していた「スケートボードは世界中どこでも一つの大きなファミリー」が表現されており、スケートボードの本当の魅力を感じた瞬間だった。

是非今後もこういった海外トップスケーターたちと間近に触れ合える機会が増えていくことで、たくさんの方にスケートボードのスポーツとカルチャーの両面から魅力を感じてもらい日本国内のスケートボードシーンが大きくなれば嬉しく思う。

記事提供: FINEPLAY

東京2020オリンピックを境にますます注目を集めるコンペティションシーン。 それらを横目に変わらず進化し続けるストリートシーン。 CURRENT編集部では両シーンがクロスオーバーし、加速する近代スケートボードを独自の目線で情報をお伝えしていきます。
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